米国とドイツ国民各1000人に安全保障アンケート

別件ですが、臨時ニュース
17日、トランプ大統領がボーイングへの公的資金投入に言及→「我々はボーイングを守らなければならない。助けなくてはならない」、「ボーイングはうまくいっていない。助けることになろう→https://www.defensenews.com/coronavirus/2020/03/17/trump-boeing-could-get-financial-bail-out-for-coronavirus/

ボーイング関連の記事
「やっぱりだめ:KC-46は更に遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30
「JDAMに推進装置で射程延伸」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-01
「EA-18Gを無人改修し編隊飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-05-1
「MQ-25が初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-20
「ICBMから怒りの撤退」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-27
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なかなか興味深いです

Pew Research4.jpg9日、米国の調査会社「Pew Research Center」とドイツのシンクタンク「Koerber Stiftung」が協力し、それぞれの国民1000名を対象に行った安全保障に関する意識調査の結果発表があり、様々に興味深い結果となっていますのでご紹介します

調査は2019年9月に主に実施され、一部は「Pew Research Center」が全世界を対象に2019年春と夏に行った調査の、両国に関する部分を引用してまとめられてた紹介されています。また過去にも同様の調査を行ったことがあるようで、時系列の変化も一部で紹介されています

Pew Research2.jpg一般に米独関係はトランプ政権誕生後あまり良くない「turbulent period」状態にあり、「Pew Research Center」も両国民の安全保障関係にもギャップが見られると分析しています

米とドイツの比較の点でも興味深いのですが、それぞれの国民の安全保障感覚そのものにも興味深いものがあります。1000名のサンプリングや調査手法については、末尾のご紹介する「Pew Research Center」調査報告webページをご覧いただくとして、概要を9日付Defense-News記事から「つまみ食い」紹介します

9日付Defense-News記事によれば
●世界秩序維持に対する軍事力使用に関し
米国民の80%が必要と回答
独国民はおおよそ賛否半々で、僅かに反対が多い
●ロシア侵攻の場合、他のNATO加盟国を守るか
米は60%が支援すべき
独は60%が巻き込まれるべきではない

●鍵となる外交政策同盟国(key foreign policy allies)は
米は、1位英36%、2位中国23%、3位カナダ20%、4位イスラエル15%
独は、1位がフランス60%、2位米国42%
●より関係を強化すべき国は
両国ともフランスと日本が上位、中国は両国とも同比率
対ロシア協力強化を、独が米国の2倍希望

●欧州やドイツの国防支出増やすべきか?
米国の35%は欧州の支出増要望、50%現状維持、9%減要望
(2017年調査では、米の45%が欧州の支出増要望)
独の独国防費増支持は2017年32%、18年43%、19年40%
●世代別の相手国との関係良否の感じ方
米の18-29歳は82%独関係現状に肯定的、65歳以上では73%
独の18-29歳は40%米関係現状に肯定的、65歳以上では30%

ジョンズホプキンズ大学の現代ドイツ研究所長であるJeffrey Rathke教授は一般論として

Pew Research3.jpg●一般にドイツ国民は安全保障問題について直接的な言及を避けるが、2014年のロシアによるクリミア併合で、確実に危機感は高まっている
●それにあわせ、(冷戦後大きく削減・縮小された)独国防費の増加を国民は受け入れてきたが、欧州全体の安全保障への貢献に関する国民意識の変化は次のステップとなろう
●両国間の政治的対立がクローズアップされる中ではあるが、両国軍の協力関係は良好である
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Pew Research Centerの調査報告webページ
https://www.pewresearch.org/global/2020/03/09/americans-and-germans-differ-in-their-views-of-each-other-and-the-world/

上記のwebサイトには、グラフや表つきで調査の分析結果が掲載されていますので、ご興味のある方はどうぞ。

Pew Research.jpg鍵となる外交政策同盟国(key foreign policy allies)に関し、米国調査で、1位英36%、2位中国23%、3位カナダ20%、4位イスラエル15%は興味深いところです。中国が2番目ですか・・

米国の一般市民は、おそらく外国のことなどあまり把握しておらず、ドイツのことを質問されても、直感的に回答指定しているのだと思います。一方で独国民は、それなりの報道を基に米国を良く見ているのでしょう

日本でこの調査を行ったらどうなるんでしょうか? Pew Research Centerのサイトに国際調査があるかもしれませんね・・・
ドイツ軍の苦悩関連
「独が国防費増強プランを打ち出すが」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-09-08-3
「独戦闘機選定に米圧力?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28
「独仏中心に欧州連合で第6世代機開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-2
「独潜水艦が全艦停止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-22
「美人大臣の増強計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-12
「独と蘭が連合部隊創設へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-05
「今後5年間国防費6%増へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-21-1
「ドイツ軍の人材確保策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-09-1
「2011年時には大軍縮計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-30
ドイツと戦闘機関連記事
「トーネード後継でFA-18優位?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-08
「独の戦闘機選定:核任務の扱いが鍵」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-01
「独トーネード90機の後継争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28
「独仏中心に欧州連合で第6世代機開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-2
「独レーダーがF-35追尾」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-01

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