Defense-News記者が防衛省の宇野茂行・防衛政策局防衛政策課企画調整班長(principal deputy director of the defense planning and programming division)に突撃取材を敢行し、2019年度予算案に航空自衛隊F-15戦闘機の最新型に更なる近代化改修を行う予算を計上予定であるとの情報を紹介しています
11月30日まで東京ビックサイトで開催されていた「国際航空宇宙展2018」の取材に訪れていたMike Yeo記者は、この記事の数日前にも「日本がF-35飛行隊編成を準備中」との記事を掲載し、現在5名のF-35パイロットが中心となって部隊立ち上げ準備中だと紹介していましたが、これといった話題が展示会でなかったことから、苦心の末ひねり出したF-15改修の話題かと思われます
現在も航空自衛隊は約200機のF-15戦闘機を主力機として運用していますが、約半分が初期型で発展性がないため100機のF-35を後継機に導入するとの報道が最近ありました。
他の約100機は発展性のあるMSIP機として当初から導入され、うち88機は既にLink-16搭載などの改修を行っていますが、今回の取材により、このMSIP機に更なる改修を行う方針が明らかになったとのことです
11月30日付Defense-News記事によれば
●防衛省で宇野茂行氏は、2019年度予算にMSIP機の改修プロトタイプとして、2機の改修経費約100億円と初期費用400億円を計上する計画だと明らかにした
●改修内容を予算要求では、「周辺国軍の能力向上に対応するための新たな電子戦装備」と説明し、併せて搭載空対空ミサイルの増加や、長射程スタンドオフ空対地ミサイルJASSM(AGM-158)等を搭載可能にする改修が計画されている
●東京で開催されている国際航空宇宙展に、ボーイング社が空対空ミサイル18発を搭載可能な先進F-15構想機を展示しており、現状8発搭載から大きく搭載量を増やしている
●また宇野氏は、予算要求資料には明確に述べられていないかったが、F-15レーダーの改修も含まれていると認めた。
●レーダーについて宇野氏は詳細に述べなかったが、新レーダーは恐らくボーイングがシンガポール(F-15SG)やサウジ(F-15SA)に提供しているのと同じAESA(active electronically scanned array)レーダーのAN/APG-63(V)3であろう
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ネット上で検索すると・・・
AESAレーダー(AN/APG-63(V)3)、
新型ミッションコンピューター(ADCPII)
新型電子戦システム(EPAWSS)への換装、
2連装AAMランチャー×4装備型コンフォーマル・フューエル・タンクの搭載
主翼下AAMランチャーの4連装化によるAAM搭載数増大
がボーイングから売り込まれていたようです
戦闘機好きの皆様には既にご承知のニュースかもしれませんが、戦闘機だけにどれだけ予算をつぎ込むんだと、大きな疑問符と共にご紹介しました・・・
Defense-newsも防衛省で取材する時代になりましたか・・・感慨ひとしお・・・
日本への様々な売り込み
「F-22とF-35装備融合機提案も」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01
「ボーイングがF-15X宣伝中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24-1
一方で米軍F-15は冷や飯
「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23