米空軍が妨害に強い衛星通信「波形」探求

何となく好調なようですが・・・
artificial intel.jpg5日付C4ISRnet.comは、米空軍が指揮統制をはじめ作戦運用の生命線とする衛星通信に使用する電波に関し敵からの妨害に強い「waveform:波形」を軍需産業や研究機関と協力して開発し、成果が出ていると報じています
この妨害に強い波形は「PTW:protected tactical waveform」と呼ばれ、米空軍の宇宙ミサイルシステムセンター(SMC)が研究開発を取りまとめているようです
衛星通信は、ISR情報の伝送や無人機の操縦、巡航ミサイルや超超音速兵器への目標情報のアップデート、分散して避難した航空戦力への指揮統制、ミサイル防衛関連の各種情報伝達、長距離移動航空アセットへの指揮統制などなど、空軍にとってだけでも死活的な通信系ですが、米空軍が衛星通信能力を統合運用のために提供しているという点でも責任重大です
事柄の性格上、具体的な話はありませんが、重要な分野なのでご紹介しておきます
5日付C4ISRnet.com記事によれば
satellite.jpg潜在的な敵対国が、米軍事力にとっての衛星通信の重要性を認識し、衛星通信リンク妨害に精力を注いで能力を向上させている。そこで米空軍はPTWを追及して世界中に展開する兵士たちに安全で信頼性の高い通信能力提供に取り組んでいる
軍需産業界に期待するところが大きく、Space Enterprise Consortium (SpEC)と言われる企業団体が国家予算で宇宙関連のプロトタイププロジェクトに挑む体制を作り、これまでに約30億円で16個のプロジェクトが成立している
●このプロジェクトを政府の文書は、「費用対効果が高い保護された衛星通信を、官民両方に、抗たん性が高く、周波数帯域を有効に活用して提供することを狙いとする」と表現している
昨年実施されたB-707を使用してハンスコム空軍基地を中心に行われた2.5時間の飛行試験では、MITやマイター社も加わって、プロジェクトの成果が間もなく実用可能な段階になることを感じさせた
GPS III 2.jpg●飛行試験では、B-707と商用衛星の通信をPTWを用いて行い、その能力が妨害を受けても前線兵士を驚くほど助けるだけでなく、通信自体が探知されにくい特性を備えていることも確認できた。航空機のような移動速度が大きいアセットとの通信が確認できたことが大きい
●この民間企業を巻き込んだ研究の枠組みが今後も機能するかに関し、米空軍関係者は、機能するかではなく、いつどのような成果を生むかに関心があると自信を示した
//////////////////////////////////////////////////////
具体性のない記事でしたが、PTW開発に、米空軍のSMCの依頼を受けた、Advanced Technology Internationalにマネジメントされた企業連合Space Enterprise Consortium (SpEC)が成果を生みつつある・・・とざっくりご理解いただければ・・・と思います(ほんまかいな?)
space-based 2.jpgまぁしかし、電子戦分野では特にロシアに対し後れを取っているのでは・・・と危惧されている米国が、最先端技術を結集して要素技術で優位を確保しつつある様子は頼もしい限りです
それを運用する米軍人の意識改革は、まだまだこれからも必要なのかもしれませんが・・・。我が国はもちろんですが・・・
被害状況下への備えを訴える
「海兵隊司令官:被害に備えよ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-16
「米海軍将軍:妨害対処を徹底する」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-21
「空軍OBも被害対処を重視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-1
「被害状況下で訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-23

タイトルとURLをコピーしました