露の射程11000㎞の核魚雷開発を公式?に初言及
先日ご紹介した、12日付Huffington Postによる核態勢見直しNPR案リーク記事ですが、トランプ政権下での大きな核戦略変更の背景の一つとして、ロシアが長射程核弾頭搭載魚雷を開発しているとの情報も掲載しているようです
ロシアによる核魚雷開発は、2015年11月に、ロシアの国営放送がロシア国防省での会議映像を放映した際、偶然映り込んでいた一枚の資料を英国BBC放送が発見し、軍事関係者の間で大きな話題となり、「東京の郊外より」でも取り上げました。意図的なリークだったのではとの見方も多くありました
「露が戦略核魚雷開発?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-06
2015年12月の記事概要は
●2015年11月ロシア国営放送で、誤って戦略核魚雷(Status-6 or Kanyon)の概要資料を放映してしまったと見せかけ、同魚雷の存在を世界に意図的にリークした
●リークされた「Status-6」資料の画像によると、戦略核魚雷は長さ約25mの原子炉推進魚雷で、射程距離は数千マイル、100メガトンの弾頭が搭載可能だ
●同核魚雷の「概要資料」の中身を英国BBCは、「沿岸地域に存在する敵の政経中枢を破壊し、放射性物質によって広大なエリアを確実に壊滅的打撃を与え、敵国の軍事や政経活動を長期間にわたって不可能にする」と翻訳して紹介している
●戦略核魚雷のリーク資料は、昨年明らかになったロシアのSevmash造船所で建造されていた謎の潜水艦「Project 09851 nuclear submarine Khabarovsk」の「謎」を解明するのではと考えられている
●海軍専門家のH I Sutton氏によれば、謎の潜水艦「Project 09851」はボレイ級戦略原潜に似ているが、全長が短く戦略ミサイル発射管が無い。Sutton氏は、この潜水艦は戦略核魚雷6発を搭載するのではないかと考えている
リーク版NPRはこの核魚雷について
(12日付Defense-News記事によれば)
●「ロシアは従来の核兵器3本柱の近代化に加え、新たな核兵器の開発と発射母体の開発に取り組んでいる」、「ロシアは少なくとも2種類のICBM、超超音速飛翔体、そして核弾頭搭載魚雷の開発に取り組んでいる」とリーク版NPRは記載している
●そして同NPRは、「Status-6」との名称でロシアが開発している「AUV:autonomous underwater vehicle」を紹介している。また国防省では「Kanyon」とのニックネームと、公式名称「Ocean Multipurpose System Status-6」で呼んでいる
●過去に1回、2016年11月27日、米国の情報機関は試験用潜水艦として2007年に出現した「Sarov級潜水艦」から、「Status-6」が発射される試験を確認した。同試験は国防省筋の話として同年12月に報道された
●「Status-6」はロシア最大の潜水艦製造企業「Rubin Design Bureau」によって製造され、ロシアTV報道によれば、射程6200nm(約11200㎞)、最大速度56ノット、最大深度3280フィート(約1000m)である
●また「Status-6」は、4発搭載可能な「オスカー級」潜水艦を含め、2種類の潜水艦から発射可能だと考えられている
●最終的なNPRが「Status-6」を記載するかは不明だが、米国として公式に「Status-6」の存在を認めたと考えられる
●リーク版NPRは、ロシアが新START条約に違反することなく、通常弾頭と核弾頭の両方を搭載可能な運搬アセットを増強していると分析しており、地上発射の巡航ミサイル、多様な原子力潜水艦、ICBMや空中発射巡航ミサイルがこれらに該当する
●そしてリーク版NPRは、ロシアが多様な核戦力を増強していることと、核攻撃を紛争鎮圧の手段としてモスクワがとらえていることを懸念しており、誤解やエスカレーションにつながることを懸念している
//////////////////////////////////////////////////////////////
恐ろしいものが完成しつつあるような気がします。
ちょっと気になるのは、水中だと、途中で攻撃を中止させたり、方向転換させたりする指示信号が魚雷に届けることが可能かどうか・・・
本当に射程10000㎞で使用する場合、発射から目標到達までに最低4~5日間必要な気がしますが、どのような運用が想定されているのでしょうか?
いろいろ気になります・・・
「露が戦略核魚雷開発?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-06