アフガンへの空爆数が2012年以降で最高に
そんな中、F-22まで駆り出されてPGMを
少し前の19日と20日、F-22がアフガニスタンで初めて作戦活動に参加し、過激派の資金源撲滅作戦の一環として、麻薬製造工場や研究施設と疑われる建造物を、精密誘導爆弾である小口径爆弾(SDB:small diameter bombs)で攻撃しました
今年で初飛行から20周年を迎えたF-22ですが、実戦初参加は2014年のシリア空爆参加が初めてで、その後は随伴する第4世代機の能力も増幅する第5世代機の威力を見せつけているのですが、今回のアフガン空爆を巡っては、対空脅威もないのにステルス機が必要か?・・・などの議論を巻き起こしているようです
F-22投入の真の背景は知る由もありませんし、その理由が米軍戦力のひっ迫であっても、F-22に実戦経験を積ませているのであってもかまわないですし、恐らく両方の理由だと思いますが、そんな軍事メディア議論の前にご紹介したいのは、アフガンでの米軍航空作戦の増加です。
アフガンの治安は確実に悪化しており、アフガン政府はタリバンやイスラム過激派に押されており、その対処のため米空軍F-16やMQ-9による空爆が急増しており、今年8月と9月の投下爆弾は900発を超え、昨年同期間より270発以上増加しています
また2017年これまでの爆弾投下量は、2012年以降で最高を既に更新しており、減少する兆しはありません。
アフガン担当の米軍司令官は「アフガン政府が攻勢に出ているから支援している」、「今年の攻勢を支援し、活発に活動している」と説明していますが、今後が懸念されるところです
以下は、F-22のアフガン初参戦を紹介する軍事メディアの概要です
21日付Defense-Tech記事によれば
●シリアで初実戦に参加したF-22は、対空脅威の存在しない中で、空対空の制空任務ではなく、高高度偵察任務や指揮統制任務を担ってたりしている
●19日にアフガンデビューしたF-22は、地上からの脅威が存在しない中、攻撃目標周辺への被害を局限するために小口径爆弾SDBを使用し、麻薬施設が疑われる建造物攻撃を行った
●F-22のアフガン投入を資源の無駄使いと批判する者もいるもいるが、米中央軍報道官は「攻撃目標周辺への被害を局限するためにSDBの使用が必要だったが、SDBを搭載可能なF-22が戦力に存在したので使用したまで」とメールで回答した
●F-22は精密誘導兵器を搭載できることから、B-52やアフガン空軍に提供されたプロペラ攻撃機A-29などとともに、タリバンの資金源を断つ新たな作戦に投入されていると米軍司令官は説明した
●情報筋によれば、SDBを搭載できるアセットは、他にFA-18やF-15Eが存在するが、他の任務で多忙だったようである。
●19日と20日にアフガン攻撃を行ったF-22は、この夏までその使用が公に語られることがなかったUAEのAl Dhafra空軍基地から発進したもので、フロリダのティンダル基地からUAE展開の第95派遣戦闘飛行隊に展開していた戦力である
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米軍内で様々な事故が頻発していますが、あるものは何でも活用する疲弊しきった米軍の実態を反映しているのかもしれません
更に米軍を多忙にするアフガン作戦の活発化を、F-22の初参戦に絡めてご紹介しました
F-22関連の記事
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「5世代と4世代機の融合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-08
「F-22もシム活用で飛行削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1