「スマホを手に取れ。私は真剣に言っている。そして私の言葉を映像で記録し、記憶にとどめ、活用してほしい。折に触れ思い出し、人々とシェアしてほしい。もし他者に尊厳と敬意をもって接することができないなら、出て行ってくれ(Get Out)」
事件は、米空軍士官学校内に設けられた「Prep School」(17歳から22歳の約240名を約10か月間教育訓練する付属教育機関)の学生寮で起こりました。
25日朝、学生への連絡用ホワイトボードの黒人生徒5名の欄に「go home n—–」(恐らくNegroとかNegger)と書き込まれているのが発見されたのです。
これを受け、空軍士官学校の校長(superintendent)であるJay Silveria空軍中将が、約4000名の全学生と教員職員を集めて28日に語った映像が、29日朝に米空軍によって公開され、政治家や著名人によってSNS等で広く拡散され、その極めてストレートな語り口が、今人種問題で揺れる米国社会で話題となっています
Jay Silveria空軍士官学校長の言葉(5分半)
順不同で校長の言葉をご紹介すると・・・
●もし書き残された言葉に怒りを覚えたら、君たちは正しい立ち位置にいる、空軍人として怒りを覚えるだけでなく、人間として感じなければならない
●もし他者に尊厳と敬意をもって接することができないなら、出て行ってくれ(Get Out)。もし性別の違いから、人と尊厳と敬意をもって接することができないなら出て行ってくれ。どのような形でも他人の名誉を傷つけるようなら、出て行ってくれ
●スマホを手に取れ。私は真剣に言っている。そして私の言葉を映像で記録し、記憶にとどめ、活用してほしい。折に触れ思い出し、人々とシェアしてほしい。もし他者に尊厳と敬意をもって接することができないなら、出て行ってくれ
●だれも我々のこの価値観に疑問を呈したり、ホワイトボードに書き込んだりすることはできないし、この価値観を我々から奪うことはできない
/////////////////////////////////////////////////////////////////
Silveria空軍士官学校長はこの夏に着任したばかりです。
米空軍士官学校は、性犯罪やそれを扱う幹部の職務怠慢をはじめとして、様々な問題を抱えており、その数と深さは学生の数で上回る陸軍や海軍士官学校よりも深刻だといわれています。
そんな中でのこの落書き。学校長としても看過できなかったのでしょう。
組織のトップに立つ人間として、「何か手を打たなければならない」との必死な思いが伝わる語り口とストレートな表現が、政治世界のゴタゴタにヘキヘキとした人々に響いたのでしょう
それにしても、「スマホを手に取れ。映像で記録し、シェアも・・・」とは時代の変化を感じます
米空軍士官学校の多様な問題
「性犯罪対処室が捜査対象に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「空軍士官学校の内通者が反旗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10-1
米空軍トップが衝撃の新年メッセージ
戦闘機操縦者支配への反発が顕在化
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04