F-22初飛行20周年と2060年まで運用提案

F-22Hawaii2.jpg7日に初飛行から20年を迎えたF-22戦闘機について、Lockheed Martin社の担当副社長がインタビューに答え、同社の分析では適切に機体を維持改修すれば、機体寿命を2.5倍にして2060年代まで使用可能にすることが可能だと語っています
機体寿命の計算には様々な要素が関係し、単純な飛行時間だけでなく、その飛行時間の中で激しい機動飛行や訓練がどれだけで、逆に負荷の少ないエスコート任務や領空保全任務や諸外国への展開飛行がどの程度の比率かにもよる。
また、第5世代機の優れたシュミレーター訓練で実飛行時間を補完できるならば、更に機体寿命を延ばすことが可能である。むしろ、第5世代機の最大性能を発揮させる訓練はシミュレーションでしたできないとも言われている点にも留意する必要がある
一方で同社が前提とする「regular updates」について具体的な記述はなく、また必要な投資額も不明確であり、要員養成用のF-22を戦闘可能仕様に転換する予算確保も困難な米空軍にとって、ロッキード社の提案がどれだけ響いているかは疑問です
7日付米空軍協会web記事によれば
F-22hardturn.jpg●ロッキード社のF-22担当副社長Ken Merchant氏は、F-22が「regular updates」を受けると仮定すれば、設計寿命の6000飛行時間を2.5倍にして、14~15000時間にすることが可能であると述べ、1997年9月7日に初飛行したF-22が、2060年代まで飛び続けることが可能であると語った
●また米空軍戦闘コマンド司令官も希望している、Tyndall空軍基地所属の要員養成用F-22を戦闘行動仕様に改修し、F-22戦力を2割増にする案も提案しているが、米空軍内の長い長い予算優先希望リストの中で、勝ち抜かねばならない事業である
●同副社長は、既にF-22が僅かながら新兵器や新センサーを搭載する改修を受けていると認めたものの、更なる改修案としてF-35のステルス処置導入やコックピットの改修等々を提案していると語った
●一方で議会から試算を求められたF-22生産ラインの再立ち上げについては、あまりに額が膨大で、受け入れられる可能性は低い状態にある
●運用開始から20年を超えても、引き続き同機は世界最高の戦闘機であり、2040年代には新型機に能力で追い越される可能性はあるが、それでも本土防空戦力として最も能力の高いアセットの地位を占めるだろう
●またある意味では、F-22が西太平洋に展開して北朝鮮や中国を威圧することに成功した例もあり、米空母の持つ戦力誇示の役割を肩代わりするようになったと見る者もいる
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F22gearup.jpg戦闘機メーカーは、第4世代機に対しても、第5世代機(F-22)にも延命策を提案しており、「F-35調達数の先細り」を予期し、新たな生きる道を探っているようにも見えます。そうなんでしょう・・・
さぁ・・・、RQ-4グローバルホークの導入中止を臭わせ、イージスアショアの導入を打ち出した日本軍は、新たな戦闘機投資を中期防でどう判断するのでしょうか? 
出方によっては、非パイロット集団からの反乱、もしくは実質の職務放棄も予期される雰囲気ですので、しっかり検討していただきたいものです
F-22関連の記事
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「F-22もシム活用で飛行削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1
第4世代機を巡る議論
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
「低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15

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