19日午前3時の速報→米ホワイトハウスは18日、バノン首席戦略官・上級顧問が同日付で離職すると発表した。(時事通信)
→https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170819-00000007-jij-n_ame
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表題の通り、18日付報道から「小ネタ」を3つご紹介します
最初は北朝鮮が8日発表した「弾道ミサイル火星12号によるグアム島4発包囲射撃」に関する軍事専門家の見方、次にホワイトハウス内で消えそうで消えずに勢力を盛り返しているバノン氏の北朝鮮問題発言、最後に全く方向の異なる航空自衛隊内に宇宙デブリなどを監視する「宇宙部隊」創設との報道の3つです
関東地方は雨の週末になりそうですので、のんびりと夏休暇最後の週末をお過ごしください。それにしても、この日照不足は心配だ。体にカビが生えそうです。既に心には生えているとの声も聞こえてきますが・・・
北朝鮮の火星12号にグアム包囲射撃は可能?
●18日付読売新聞朝刊12面の「解説スペシャル」によれば、8日の北による「包囲射撃」発表は、17日から始まった米韓合同軍事演習「Ulchi Freedom Guardian」にヒステリックになった北朝鮮のいつものパターンで、冷静に見たほうが良い
●また同記事は、火星12号による「包囲射撃」の可能性について海自OB伊藤俊幸氏の意見を紹介し、開発途上にある火星12号の技術的課題を挙げている
●伊藤氏は火星12号について、「5月に1回しか撃っていない未完成品で、(ほぼ垂直打ち上げであった5月のロフテッド射撃の実績しかなく、)通常の(弾道ミサイル発射)角度で撃った場合の、大気圏突入時のデータを持っていない。包囲射撃なんて(高度な精密な誘導射撃が)できるはずがない」とコメントしている
●弾頭の大気圏再突入は、数千度の高温から弾頭を保護する技術のほか、入射角を6度程度に正確に誘導する技術とデータが必要だからだ
●今後の北朝鮮の動きについて、伊藤氏と米ジョンズホプキンス大の研究チーム「38ノース」はともに、米韓合同演習間にSLBMを発射する可能性があると指摘している
バノン氏:北朝鮮問題に軍事的解決はない
●16日付で「The American Prospect」のwebサイトに掲載されたSteve Bannon氏へのインタビュー記事によれば、最近の北朝鮮に対するトランプ大統領の「fire and fury」発言等に関わらず、北朝鮮に関する軍事的解決はないとバノン氏は語っている
●同氏はインタビューで、「北朝鮮に関して軍事的解決はないから、忘れるべきだ(There’s no military solution, forget it)」、「開戦30分以内にソウルの市民1000万人が死ぬことがないような解決法を誰かが示してくれない限り、軍事的な解決はない。皆が何のことを語って騒いでいるのか理解できない」と言い切っている
●またバノン氏は、中国との貿易不均衡に関し厳しい姿勢で臨むべきだと強調し、中国が北朝鮮に核ミサイル問題で影響力を行使するかどうかを待つべきではないと主張している
●そして「中国との貿易・経済戦争が全てである。我々は執拗に集中して対応すべきであり、さもなければ、5年後、遅くとも10年後には、もう取り返しのつかない事態(hitting an inflection point)に立ち至る」と訴えている
●更に「アメリカは中国と経済戦争の最中で、北朝鮮問題は余興にすぎない」と述べた。
●なおホワイトハウスは、このインタビュー記事に関する質問にコメントを避けている
空自に宇宙デブリ監視の「宇宙部隊」創設へ
●18日付読売新聞朝刊4面の記事によれば、防衛省は人工衛星の運用を妨げる宇宙ゴミや対衛星兵器などを常時監視する「宇宙部隊」を航空自衛隊内に創設する方針を固めた
●新たに監視レーダーを設置し、2023年度から監視活動を開始する。人材育成のための関連予算を、2018年度概算要求に盛り込む。
●「宇宙部隊」はJAXAとも情報共有し、主にアジア地域に関係する宇宙空間を監視し、米軍と連携することで全世界的な包囲網を整備する
●2018年度中に監視レーダーの設置場所等を決める予定だ
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イージスアショア(地上配備型イージスシステム)もそうですし、空自の宇宙部隊もそうですが、その予算と人員をどこから持ってくるのでしょうか?
マスごみの皆さんに置かれましては、是非そのあたりを突っ込んでいただきたいと思います。
末尾に、宇宙データと宇宙での戦いを考える過去記事を並べました。是非この機会にご覧いただき、頭づくりにご活用ください
バノン氏が敵対勢力を、ホワイトハウスだけでなく、国防省や国務省から排除しようとしていると語ったと同記事は併せて紹介しています。マクマスター、マティス、ダンフォード、ティラーソンなども対象なのでしょうか。しかし内部権力闘争の話を漏らすのは「レッドライン」じゃ・・・
しかし、北朝鮮に関するバノン氏の見方は正論でしょう。マティス国防長官もダンフォース議長が一番そう考えているでしょうし、トランプ大統領も分かっているのでしょうが・・・
グアム島関連の記事
「米軍事メディアが見た北朝鮮騒ぎ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-14
「グアム島の過去と今を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-11
「グアムの核兵器対処要領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-15
宇宙データの共有が鍵
「商用データも取り込み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20-1
「米軍の新型宇宙監視望遠鏡」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19
「米軍が豪に宇宙監視レーダー移設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15
「空自レーダーで宇宙監視?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-17
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28
宇宙での戦いを訓練
「Red-Flag指揮官が宇宙幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19
「民間企業も交え大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02