17日付Defense-Techが、スコットランド西岸域で8日から20日の間に行われた、「多国間」の海と空の無人機を連携させて活用する検証演習「Unmanned Warrior」の様子を報じています。
同演習は英国海軍の統合演習「Joint Warrior」を拡大発展させ、NATO加盟国や関係同盟国軍から約40名の海と空の「無人機専門家や開発者」が参加する形式にしたもので、将来の戦いで無人システムが活動する領域拡大を意図した演習です
米海軍研究室(ONR:Office of Naval Research)が主導しているようですが、同研究室の地元である米西海岸やメキシコ湾岸とは異なる、北大西洋の厳しい環境を求め、英軍の支援を得て行われている様です
17日付Defense-Tech記事によれば
●この演習「Unmanned Warrior」は、多国間でそれぞれ保有する無人システムの連携を検証しようとするものである。その背景には、将来の戦闘行為に自立型無人システムが加速度的に関与してくるだろうとの見込みがある
●NATO加盟国や関係同盟国軍から参加した約40名は、以下の5つのテーマから、10種類の異なる技術の可能性を演習で確認する
–Geospatial Intelligence(画像地理情報)
–Anti-Submarine Warfare(対潜水観戦)
–Mine Countermeasures(機雷対処)
–Intelligence, Surveillance, Targeting and Reconnaissance
–Command & Control
●本演習に関する14日の会見で、米ONRで米海軍艦艇コマンド補佐官や無人システム技術責任者を務めるTepaske博士は、英軍と米軍の無人水中システムUUVをネットワーク化し、意思疎通させる手法を見いだした事が重要な成果の一つだと語った
●また「機雷対処における統合や多国間協力の水中無人システム作戦分野で、幾つか世界初の試みに成功した」と述べ、「英米システムのネットワーク分野で従来の範囲を拡大する事が出来た」と説明した
●更に、参加研究者は演習間、多様な無人システムが相互に意思疎通して連携し、人間の指揮センターにフィードバックする事にも成功した
●例えば、水上無人システムが無人航空機を通信中継装置として活用し、陸上部隊と意思疎通を図る検証を行った
●米海軍ONRのBeth Creighton大佐は、温暖な加州やメキシコ湾岸でない「興味深い」環境で、世界レベルの研究者が一堂に会することで世界初の挑戦ができ、従来の限界を突破することが出来たと語り、その教訓をリストに整理していると述べている。
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事柄の性質上、「Unmanned Warrior」の細部や「教訓リスト」が明らかになる事は無いのでしょうが、四面環海の日本も、この様な仲間にぜひ加わって欲しいものです。
いろんなシンクタンクの研究レポートを見ても、「水中戦」分野は、対中国でまだ技術的にリードを保っているフィールドで、この分野で優位を確保し拡大する事で抑止力を強化したいものです
戦闘機の機数を削減しても、水中戦には注力したいものです!
中国の軍事力を考える記事
「2016年版中国の軍事力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「10分野で米軍と中国軍を比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「ありがちな誤解:中国軍分析注意点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-30
「驚異の対艦ミサイルYJ-18」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30
「仰天:DF-26も空母キラー?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04
「米中の宇宙戦を描く小説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08
「米空母監視衛星打ち上げへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-10