6月29日夜の米上院軍事委員会で、米軍主要幹部人事が承認され、ロビンソン女性大将が北米コマンド司令官にご栄転以降、実質空席になっていた太平洋空軍司令官に在韓米空軍司令官(第7空軍司令官&在韓米軍副司令官)のTerrence O’Shaughnessy中将が、大将昇任と併せて了承されました
同中将はF-16パイロットで、米空軍トップガンスクールの勤務も複数回ある操縦技量に優れた操縦者で、最近10年間の7年間は「三沢基地司令官」を含むアジア太平洋地域で勤務している土地勘のある方です
韓国の雰囲気にも接して視野を広げ、準備助走十分での登板となりそうです。防衛大学校で言えば、29期か30期相当かな?
もう一人、空軍司令部の部長職(deputy chief of staff)に、初めての女性就任(ISR部長)が承認されました。情報士官として歩んできた人材で、これまでパイロットが多かった同ポストに、生え抜きの情報専門家が配置されたことでもシンボリックです
O’Shaughnessy次期太平洋空軍司令官について
●1986年空軍士官学校卒業
●戦闘機の戦技戦術研究のメッカであるネリス空軍基地勤務が4回もあり、「Fighter Weapons School学生」「同教官」「同飛行群司令」「同航空団司令官」をそれぞれ務めている
●ハワイ勤務も多く、「航空作戦センター司令官」「第13空軍副司令官」「太平洋軍作戦部長」として勤務経験有り。韓国も飛行部隊幹部も含めて2回経験有り。飛行隊長はイタリアで経験
●ペンタゴンでは、空軍省の航空優勢や戦闘機計画に携わり、少将で統合参謀本部のアジア担当政軍問題担当副部長を務めている
●ハワイ勤務以外の統合職では、米欧州コマンド司令官の特別補佐官や同コマンド作戦計画課長を経験している
Jamieson次期米空軍ISR部長について
●1982年に一般大学卒業後、飛行訓練半年の後、情報士官コースに転換
●2012年から1年間、米空軍司令部ISR部長の特別補佐官を経験、それ以前にもISR部勤務経験が2年以上ある。現在は米空軍戦闘コマンドの情報部長であり、ISR部長職に就任する準備&理解や識能は十分
●少佐から中佐で統合参謀本部の勤務を経験し、太平洋軍司令部勤務も大佐から准将レベルで3年間経験済み。
●その他の勤務地としては、ドイツで隊長職、南米コマンドの情報部長、アフガンで多機関統合のタスクフォース副司令官などを経験
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何度もご紹介してきましたが、「太平洋空軍司令官」は、対中国作戦において空母艦載機を含む全ての航空アセットを束ねて作戦遂行する司令官職(JFACC)です。
東シナ海波風高しの今日、実質空席が続いていた同ポストに、実務経験と土地勘のある人材が配置されたことは喜ばしい限りです
発音が難しそうなお名前(O’Shaughnessy)ですので、早々に来日頂いて正しい発音を直伝頂き、自衛隊の統合幕僚監部から「中国戦闘機と航空自衛隊機の近接」について説明を受け、力強くコメント頂きたいものです
Jamieson新部長は最後のお仕事でしょうから、日進月歩で要求過多なISR部門の采配をバッサリやって頂きたいと思います。思い切って・・・
TERRENCE O’SHAUGHNESSY大将候補の経歴
→http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108497/lieutenant-general-terrence-j-oshaughnessy.aspx
VeraLinn Jamieson次期IRS部長の経歴
→http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108431/brigadier-general-veralinn-dash-jamieson.aspx
前の太平洋空軍司令官ロビンソン大将
「ロシアが最大の脅威だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-23-1
「北米司令官の候補に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-19
「次の空軍トップ候補は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-14
「驚嘆:女性大将が対中国の指揮を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-03