2023年は米軍装備計画が大集中

LaPlante-AFA2.jpg米空軍省のWilliam LaPLante調達担当次官が米空軍協会のインタビューに答え、米空軍だけでなく米軍全体で、冷戦期に調達し延命しながら使用してきた老朽装備品の更新時期がほぼ同時に訪れ、2023年にその時期が集中すると語っています
「装備品調達の休日」と言われる冷戦後の「平和の配当」が叫ばれた時期が問題の根源ですが、以下の話を聞くと、米国防予算の破綻時期が刻々と近づいている様子が窺えます
この状況で強制削減が発動されたら、装備の更新要求は後送りされ、更に課題が積み上がる事になります。僅か8年後の話です。
13日付米空軍web記事によれば
米空軍の大規模な調達プロジェクトの大部分は、2023年頃に佳境を迎える。次期練習機T-XやJSTARS後継の初号機が納入され、次期爆撃機LRS-Bが飛行を始め、エネルギー兵器DEWのデモが開始される時期である。
LaPLante2.jpg●また、超超音速ミサイルが試験を開始し、無人の援護戦闘航空機のデモも開始される時期でもあるとLaPLante調達担当次官は語った。
●同次官は、この様に多くが重なったのは、長く延期されてきたものが一時期に集まってきたのだと語り、「米空軍だけの問題ではない」と語り、オハイオ級戦略原潜の後継も同時期に重なると言及した。
●「共通するのは」多くが冷戦期に導入した装備で、これ以上延命が困難な装備である。「もう少し後継導入を待てないか? と問われれば、たぶんムリだろう。それぞれの装備がユニークな経緯を経ているが、我々は可能な限り延命に努力してきた」とも語った
米空軍は全体計画の調整に努力中
T-38A_Talon.jpg財政面でも生産の効率性からも、米空軍は各プログラムの計画をチャートにしては把握し、慎重に細部の行程を分散するよう努めているところである
●例えば次期練習機T-Xでは、予算面等から2017年に「ramping up」するのが最適である。これが5年前後すると、計画が立ちゆかなくなる
●次期爆撃機LRS-Bに関しては、80~100機を短期間で製造することは効率的とは言えない。生産学習過程を踏まえ、アイディアであるが、5年から10年間を掛けて、例えば10機12機14機と生産するのが多分適当なのだろう
●(一般的には)「安定的にコンスタントに」生産するのが経費節減に繋がるだろう。この教訓を我々は過去の苦い経験から学んでいる
///////////////////////////////////////////////
後半部分は、何とか頑張ってやりくりするとの言いぶりですが、恐らくやりくりしても現在の枠では収まらないのでしょう
SSBN-X.jpg次の統合参謀本部議長が、「核の3本柱更新は別枠予算で」と上院軍事委員会で訴えていましたが、次々と別枠扱いを要求するのでしょうか
空軍の次官が言及するくらいの「オハイオ級戦略原潜の後継」ですが、12隻建造で1隻6000億円ぐらいになるようです
いろいろ諸経費を含めると10兆円の壮大な計画だとか・・・
SSBNの後継検討
「オハイオ級の後継固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級後継の概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
米潜水艦関連の記事
「攻撃潜水艦SSNの将来」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28
「バージニア級SSNの内部映像」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-10-1
「米潜水艦への女性配置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-20

タイトルとURLをコピーしました