米海軍トップが訪中と空母遼寧を語る

RIMPAC参加の中国海軍の能力は他海軍の「平均だ」
Greenert4.jpg25日、訪中を終えたばかりの米海軍トップ(CNO)のグリーナート大将が、Aspen Security Forumで講演し、中国海軍司令官との協議や空母「遼寧」を含む中国海軍装備を視察した様子や、RIMPAC参加艦艇の「レベル」を語りました
それほど具体的な言及はありませんが、中国空母に関しては「今はそんなに懸念していない。まだ彼らがやることは沢山ある」と語っています
26日付米国防省web記事は講演について
●グリーナート大将はRIMPACに初参加している中国艦艇について「彼らは他の参加海軍と比較して、平均的にやっている(They’re doing about average)。興味深いことだ。平均的とは良いことだ。十分に良い。彼らはそう考えていないかもしれないが、多国間の演習は少し難しいのだ」と語った
●同大将は訪中について「良い訪問だった。率直で、互いを尊重するものだった」と表現し、中国軍が演習や人材の交流を通じての軍事交流継続に興味を示していたと語った
China-CV2.jpg●また、空母「遼寧」訪問が可能かどうか訪中するまで不明だったが、米海軍人として初めて訪問でき乗員とも会うことが出来たと振り返った
●空母「遼寧」訪問については「空母の全てではないが、かなりの部分を訪れた。その後潜水艦も訪問し、更に2000トン級の駆逐艦と警備艇も訪問した」と振り返った
●「遼寧」ついて同大将は「まさにロシア製で、つまり巨大で重く、厄介な代物だった」と描写した
●しかし更に「中国軍はロシア製の装備を全て取り払い、近代的な中国製装備に換装していた。空母は大連で引き続き整備中である」と説明した
●中国が建造中の次期空母について同大将は、「遼寧のようなタイプのスキージャンプ方式で、7万トン程度だ。驚くようなペースで建造が進んでいる」と語った
●中国海軍司令官は同大将に、遠洋海軍や空母中心の海軍に向けての研究のための空母だと説明した模様で、グリーナート大将は「4年半後には米海軍のように海上行動を開始し、駆逐艦を引きつれ、10機から20機を発進帰還させるだろう」、一方で「今はそんなに懸念していない。まだ彼らがやることは沢山ある」と述べた
////////////////////////////////////////////////
Greenert-CNO.jpg米海軍の予算確保のため、それなりに空母の脅威をアピールしつつ、最後に本音をちらり・・・といった感じでしょうか。
中国海軍の能力は他海軍の「平均だ」とか・・・「良くやっている」ぐらいの表現が社交的には適切なのでしょうが、このあたりも本音がちらりでしょうか
ちなみにRIMPAC参加国は地域ごとに
—米、英、豪、NZ、カナダ、仏、オランダ、ノルウェー、
—日、韓、比、インドネシア、マレーシア、シンガポール、中国、ブルネイ
—インド、トンガ、チリ、コロンビア、ペルー、メキシコ
RIMPACに中国海軍が送り込んだ情報収集艦については、誰も質問しなかったのでしょうか? 情報収集艦関連の質問を海軍側が「禁じ手」に指定したのか、米国防省の広報が関連部分を削除したのかもしれませんね
「米海軍トップの訪中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-16
「RIMPACに中国情報収集艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-21-1

タイトルとURLをコピーしました