2月27日と3月3日、北朝鮮がどさくさ紛れに「短距離ミサイル」を北東方向に発射しており、不穏な動きを示しています
北朝鮮内部のことを推察しても判らないので、日米韓と中国の微妙な対応の違いをご紹介しておきます。
「国連の制裁決議違反かどうか？」についてご説明できないので心苦しいのですが、そのうち誰かが解説してくれるでしょうから・・・
まず事実関係を7日付聯合ニュースで
●北朝鮮は2月27日、南東部の江原道・旗対嶺一帯から北東方向へ射程200キロ以上とみられる短距離弾道ミサイルを4発、3月3日にも（南東部の）江原道・元山から北東方向へ射程約500キロの同ミサイル2発を発射した
●北朝鮮は自国の安全を守るための「自衛的行動」と主張している。
米韓政府等の対応は
●国連筋が6日、明らかにしたところによると、米韓政府は現地時間5日、国連の北朝鮮制裁委員会にそれぞれ意見書を提出し、2回の弾道ミサイル発射を「国連の対北（制裁）決議の内容に違反するもの」とし、安保理として適切な対応に乗り出すよう促した。
●韓米は北朝鮮が弾道ミサイル技術を利用したとして制裁の必要性を主張。
●この国連筋は「ほかの安保理理事国も、今回のミサイル発射が国連の制裁決議違反か検討すべきだとの意見を安保理に提出した」と伝えた
中国の反応は・・・
●韓国当局は3日、北朝鮮のミサイルが通過した僅か7分後に、同じコースを乗客200名を乗せた中国民航機が通過していたと明らかにした
●韓国国防省によれば「東京から中国北東部の瀋陽に向かうChina Southern Airlines flight CZ 628」が、ロケットの飛翔コースを横切った
●中国外務省のQin Gang報道官は、「中国は民間航空機の安全確保を大変重要視している。軍事訓練を行う国は、民間航空機や艦船の安全確保に必要な措置を執らねばならない」、「むろん中国は、関連事象について関係当局に対し確認し、懸念を表明する」と述べた
日本政府の対応は・・
●政府は3日深夜、「極めて問題のある行為で、厳重に抗議する」とのコメントを発表した
●小野寺防衛相は4日午前の記者会見で、北朝鮮が３日午前、日本海に向けて発射した短距離弾道ミサイルについて「この海域を航行する船舶、航空機への危険性が十分考えられる。国連安保理決議違反になるのか、米国や韓国とよく相談していきたい」と述べた。
与党自民党は・・
●自民党は5日、安全保障調査会などの合同部会を開き、北朝鮮が3日、短距離弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射したことに対し「国際社会への重大な挑戦と受け止め、激しく非難する」との声明をまとめた。
●また政府に対して「米国をはじめ関係各国と連携し、毅然（きぜん）とした態度であらゆる措置を講ずるべきだ」と厳しい対応を求めた。
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中国の反応を伝える6日付のDefense-News記事は、北朝鮮のミサイル発射を「現在実施中の米韓合同演習への怒りの表明」と説明しています
中国の航空会社関係者は匿名で「there was no impact」と答えているようです。中国の皆さんには、申し越し積極的に中国に働きかけてほしいものです
日本がなぜ米韓と足並みをそろえられないのか？ よく分かりませんが、冒頭で申し上げたように「国連の制裁決議」についてよく理解していないのでコメントは避けます
ウクライナ情勢に関しても、日本政府が独自色を打ち出そうとしているとの「噂」を耳にします。
小野寺大臣と中国報道官のコメントが似ているのも、皮肉な感じがします
北朝鮮のミサイル発射に伴う各国の動き
安全保障全般