防衛構想や防衛力整備を考え直そう!!!

現状認識を再確認
●中国が各種ミサイルや電子戦やサイバー宇宙戦を緒戦で多用することを考慮すれば、被害状況下での戦いを初動から強いられる日本で、戦闘機クラスを中心とした作戦構想は極めて脆弱で非効率
●現状の日本の装備体系は、戦闘機の機数だけが揃い、搭載兵器や搭載機器、更には全ての作戦実施の基盤となるISRや強靱な指揮統制や電子戦等々の基礎・支援分野(現状欠落分野)が極端に貧弱。
●これは戦闘機の機数維持だけを優先し、いざとなったら「現状欠落分野」は後で「緊急取得する」との言い訳の上で進められてきた結果。ただ、緊迫度が高まる今になっても、新しい大綱や中期防は、財務省と防衛省の妥協の産物であり、相変わらず「戦闘機だけ」の防衛力整備が健在
現在の法的制約をどう考えるべきか?
●日本の地政学的位置や兵器技術の発達を考えれば、日本がこのまま専守防衛を守ったままで国防を考えることは極めて非効率。しかし一方で、専守防衛や憲法問題の解決には今しばらくの時間が必要
●ただし、昨今の中国による強引な対外姿勢は日本の国防への国民感情を変えつつあり、国防関係者は近い将来における専守防衛や憲法問題の解消も念頭に、長期的視点で国防構想や装備体系を検討すべき
現状に捕らわれず、将来を考えよ
●現在の制約を離れて日本の国防を考えるとき、弾道ミサイルを含むスタンドオフ兵器や対空対艦対地誘導兵器による「日本版ミニA2AD」は有力案であり、戦闘機一辺倒よりも遙かに山岳地形を生かして強靱性があり抑止効果も大。
●これに無人ステルス攻撃機やISRや抗たん性ある指揮統制能力、更にはサイバー攻撃や電子スペクトラム戦の能力を加え高めることで、戦闘機一辺倒の極めて脆弱な「見せかけの国防」から、より効率的で有効な抑止力獲得への変革が可能と思料される
F-35導入や戦闘機偏重の問題は?
●米国の予算状況からF-35調達機数の削減決定は時間の問題であり、その結果、調達機数削減→価格の高騰→海外調達機数の削減→更なる価格の高騰→生産機数の削減・・・といった「死のスパイラル」入りは時間の問題
●日本の財政状況を考えれば、一端F-35を中心に据えると、「死のスパイラル」入りしたF-35の維持だけに防衛費をつぎ込むことになる可能性大で、戦闘機を含む全ての作戦の基盤になるISRや強靱な指揮統制や電子戦等々の「現状欠落分野」への投資は中途半端になる可能性大
国民感情が過渡期にある今こそ
●国防への国民感情が過渡期にある中、従来の専守防衛・憲法議論の中で重視されてきた「戦闘機だけ」思考から決別し、弾道ミサイル等のスタンドオフ兵器や対艦対地誘導兵器による日本版ミニA2ADも念頭に置いた構想実現に向け、現時点で極端に貧弱な「現状欠落分野」への投資にも軸足を移すべき
●そのためには、まず脆弱で有事の有効性が疑問な戦闘機体制を削減見直し(F-4戦闘機即時廃棄、F-35導入見送り、ステルス無人攻撃機等の動向を見極め)し、陸上自衛隊も大幅削減し、現法制化で可能な「現状欠落分野」への投資を加速すべき。
●知恵を絞り、現政策的制約下でも「日本版ミニA2AD」に向けた布石を打ち、制約克服の後は戦闘機を脇役にした日本独自の米軍からの借り物でない防衛構想に基づいた体制整備に直進すべき。
●中国という極めて狡猾な国(空母やステルス戦闘機を見せつつも、各種ミサイルやサイバー等々の分野でA2ADをリードする国)を前に、所詮、遠方に離れ戦いのコンセプトが異なるはずの米軍の受け売りでなく、同じ船の操舵室に入ってリードする位の主体性を持って考えるべき。組織防衛ではなく
20年も前にタンカーやAWACSを導入したじゃないか!
●まだ中国の脅威がほとんど意識されていない90年代にも、明らかに外征的性格を帯びた空中給油機やE-767AWACSの導入に知恵を絞ったではないか! 「戦闘機命」の思想から脱却すれば、これまで抑圧されてきた「非戦闘機操縦者グループ」から知恵があふれ出てくることは間違いなし!
●日本版ミニA2ADには、当然陸上自衛隊を活用する。陸自4万人を削減して資金を捻出し、更に2万人を各種ミサイル部隊に充当するぐらいの方向転換が望まれる

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