久々に次期爆撃機の話題です。本当に・・
22日付Defense-Techが報ずるところによると、予算の縮減と混乱の中にあっても、米空軍が2014年度予算案に2020年運用開始を目指した次期爆撃機(LRS-B:Long Range Strike-Bomber)予算を400億円組み込んだことが、空軍関係者から明らかにされました。
どのような爆撃機を要求するのか、細部は依然として不明な部分が多いのですが、記事が伝えるLRS-Bの概要をご紹介します
複数の空軍関係者の話を総合すると
●非公開であるが「Initial Capabilities Document:初度能力文書」がまとめられている
●約100機を要求し、1機当たりの価格は約540億円($550 million) B-2及びB-52の後継機種となる
下図↓は一例でCSBA案↓
●ステルス性、長距離攻撃能力、通信能力、所要の兵器搭載能力を備え、強度の電子戦環境下(妨害や電磁パルス等)でも運用できることが特に重要
●A2AD環境下で長距離を飛行でき、強固な敵防空網を先進の次世代兵器を搭載し、燃料効率良く飛行することも求められる
●LRS-Bは、敵の監視網を突破し、敵防空システムや弾道ミサイル基地を破壊することを期待されており、エアシーバトルの鍵となるアセットである
●LRS-Bの基本型は、核任務に対応できるような構造を備え、初期運用能力獲得から2年以内に核任務対応検査に合格することが求められる
●またLRS-Bは、潜在的に無人システムとして活用できるような技術を備えなければならない
●既存の成熟技術の利点を活用して開発リスクを抑え、開発とテストの同時進行を最小限にし、また空軍としても、効率的で支出可能な開発と生産に配慮した性能要求に努める
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とりあえず2014年度要求では「生き残った」と言うことです。めでたしめでたし。
初期段階ながら、最終的な姿が「文書」にまとめられ、延々と議論されてきた方向性が保たれていることが確認できます
「久々に次期爆撃機の話」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-17-1
「序論:長距離攻撃システム構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-25
「本論1:長距離攻撃システム構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26
「本論2:長距離攻撃システム構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26-1
約2年前、当時の統合参謀本部副議長が「何度空軍から説明を聞いても理解できない。次期爆撃機が核任務のために有人機である必要があると言うのなら、ICBMに有人型はあるのか?」と米空軍を思いっきり皮肉ったことがありました。
「次期爆撃機に有人型は不要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1
空軍側は「しのほの」説明したのでしょうが、恐らく有人機にする必要があるのは「現爆撃機パイロットの職場とポスト維持」のためです。理由は全て後付けで、全ては組織防衛です
我が国の戦闘機パイロットが戦闘機数の維持にこだわるのと、「根っこ」は全く同じです。
「戦闘機の呪縛から離脱せよ!」
→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16