25日、米軍と英軍の主要幹部が一堂に会し、第2次大戦時以来約70年ぶりにワシントンで会議を行いました。議題の細部は両国関係者とも口を閉ざしていますが、厳しい財政状況下にある両国軍が、長期的戦略について議論した模様です
アフガンからの撤退管理やその後も重要なテーマだったらしいですが、米軍が今後経験する以上の予算削減と既に直面している英軍が、対処の経験をシェアするとともに、どの能力が重要であるかを長期的視点からアングロサクソン視点で煮詰め、米英間の協力分野も探ったようです
23日付Defense-News記事は・・・
●米国防省や参謀本部報道官室から、我々の質問への回答を得られなかった。英国防省報道官も会議内容は非公開であり、それ以上のコメントはできないとの返答だった
●英軍からの参加者は、参謀総長、副参謀総長(次期参謀総長)空軍参謀総長、次期海軍参謀総長、統合軍司令官、参謀本部参謀長等々である
●米軍と英軍が定期的に行っている意見交換と異なるのは、今次の会議が従来の予算、作戦、装備品調達問題に止まらず、米英同盟の戦略的な将来像や協力強化が議論される点である
●英国は米国と、インテリジェンス、技術、更に潜水艦発射型核ミサイルのような装備品に至る機微な軍事情報を共有してきた。
●F-35では最も深いパートナーだし、最近では極めて秘匿度の高いRC-135R情報収集機を米国以外で唯一購入するを許可された関係にある
●英軍は既に数年前から大幅な予算削減を経験しており、削減比率は米軍が直面するレベルより厳しい。
●専門家は司令部や教育機関の統合による人員や経費削減等、米軍が学ぶべき要素が多く残されていると指摘している。例えば、各軍種の大佐クラスの学校を統合した
り、作戦指揮所を統合で保有したりすることも検討されるべきだろうと専門家は分析している
●更に、アフガンやイラクで行われていたような教育・訓練を両国やNATO全体で共有したことも参考になる。
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米軍の関心が高い脅威に関し、実質的な支援が現在の英軍に出来るとは思えませんが、大きな決断をする前にまず相談するのは「血の同盟」たる米英同盟なのでしょう
また英国の国防費削減では、士官クラスの「士気崩壊」が話題になっており、この辺りも米軍幹部の関心事でしょう。
「予算減で英軍の士気崩壊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-18
全ては、18日ヘーゲル長官が命じ、5月末までの期限で行われる戦略環境等の再評価にむけ、一つのステップと見てよいでしょう。
これまでお教のように唱えられてきた「リバランス」や「アジア太平洋回帰」、更には昨年1月に示された新国防戦略DSGの根本が見直されようとしています
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