次期空軍トップの選定佳境へ

「空軍は年初に複数候補を長官に上申した。2ヶ月熟考し、長官は大統領に一人を推薦した」
SchwartzAF.jpg9日付AF-MagazineのDaily Reportが4年の勤務を終え8月12日に退役するシュワルツ空軍参謀総長の後任者選びについて、シュワルツ大将にインタビューした記事を掲載しています。
勿論、後任候補の名前は明かされておらず、オバマ大統領が最終的に誰を議会へ候補者として押すかは不明ですが、4月下旬から5月上旬になるらしい候補者発表に向け、中々興味深い記事ですのでご紹介します。
後任選びの状況について
SchwartzGen.jpg●空軍参謀総長の選定にはプロセスがあるが、過去様々な形があり、必ずしも一つではない。その度に変化している
●ドンリー空軍長官が年初に複数の候補者名を国防長官に上申した。パネッタ長官は2ヶ月掛け、各候補者の資料を「消化」検討し、デンプシー議長とも協議して一人を選んだ。
●確かなことは職務終了時に64歳以上ではいけないことや、統合の主要ポストを経験していること等である。
●全ての4つ星将軍は候補であり、自己推薦は出来ないが、同時に辞退は実質的に出来ない。大統領から就任をオファーされて、それを断れる人などまずいないだろう。
パネッタ長官が選んだ人物が、ホワイトハウスや文民間でどのように扱われているか、私は知らない。また候補者の名前が既に上院軍事委員会に届いているかも分からない。
パネッタ長官は何を求める
schwartzAFA.jpgパネッタ長官が次期参謀総長に求めるモノは、ゲーツ長官が私に求めたモノとはたぶん異なるだろう。新たな国防戦略が出来、イラクが終わり、アフガンからの兵力削減も見えてきている。今後の空軍には「大きな企画」があり、必要な識見は私が持つモノとは異なるだろう。
●勿論、「familiarity」は幾らかの役割を果たすだろう。これまでに国防長官や政府の主要メンバーと仕事をした経験があり、彼らと上手くやっていれば「familiarity」があることになるが、それ以上に重要な要素がある
●彼らの様な激務をこなしている人達は、「familiarity」だけで人を選んだりしない
引き継ぎ時間と準備
●上院での承認後、正式に交替するまでに6~8週間は必要だと思う。新しい人には、何にどのように取り組むかを考える時間が必要だと思う。
私の場合はそうではなかった。退役のための書類も準備し、輸送コマンド司令官として全ての部隊訪問も終えてその時に備えていた。そんな時期、ゲーツ長官が空軍長官と空軍参謀総長を同時に更迭した直後、私は国防副長官から電話を受け、その電話が結局面接の代わりとなった
●候補者が決まったとなれば、空軍は上院での質問に備えて準備を支援する。「ホワイトハウスと政策上の対立があっても、正直な軍事的助言を行うか?」と言った、いつも決まった質問もあるし、その時期の情勢に関するモノもある。
●私は「after-action report」をまとめ、後任者と共有する。他よりどの部分に集中した方が良いかの示唆もするつもりだ。そうしなければ組織の信頼性が損なわれる。
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SchwartzAF2.jpg短いインタビューながら、イラクやアフガンで求められていたモノとは異なる・・・がポイントか?
特殊部隊のC-130操縦者だったシュワルツ大将と異なる方向となると・・・。対中国向けに空軍改革が出来る・・戦闘機操縦者支配を変えられるのは戦闘機パイロット? サイバーや宇宙にも造詣の深い人物か? 太平洋軍での勤務経験も重要か? 遠方からの・・で爆撃機操縦者も有りか?
「familiarity」だけで人を選んだりしない・・・。あと数週間待ちましょう!
「爆撃機による外交」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-04
「無人機は帆走の時代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-19
「MQ-X計画は当面無し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-16
「次期爆撃機は超音速無し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-25
「サイバーの多様な課題と視点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-25
「前半宇宙優勢5つの鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-10
「後半宇宙優勢5つの鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-10-1
「イスラエルがF-35で苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-01
「FXはステルス無しで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-16

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