F-35がミサイル搭載試験開始やっと

20日ロッキードマーチン社が、空軍用F-35にミサイルや爆弾を搭載した状態での飛行試験を開始したと発表し、同時に写真を公開しました。
この間、やっと夜間飛行試験を始めたばかりですが、ミサイルや爆弾搭載試験もまだ開始していなかったとは驚いてしまいました。本当に「試験と生産の同時進行」です
F-35は10個の装着箇所に、合計18000ポンドのミサイルや爆弾を搭載可能だそうです。内訳は・・・  ●翼の下に6カ所     ●胴体内部格納庫2個に計4カ所
F-35hardpoints.jpgF-35hardpoints2.jpg
ロッキードが公開した写真では、翼端に2発のAIM-9X赤外線ミサイルと、見えませんが胴体内に2000ポンド爆弾2発とAIM-120アムラームを2発を搭載しているとのことです。
翼下には、未搭載の装着ポイントが4箇所確認できます。
勿論、翼の下にミサイル等を搭載するとステルス性が損なわれるので胴体内搭載が基本でしょうが、赤外線ミサイルは相手の赤外線(熱)源を確認してから発射するので翼に付けないといけないでしょうね・・・たぶん。
もう一つ、F-35を巡る会議開催のお話
21日、ペンタゴンで装備品の取得について審議する「国防装備審査会(DAB:Defense Acquisitions Board」が開催され、外務有識者も交えて開発費用が基準を超えて膨張しているF-35の開発継続について審議しました。
F-35A NgtFt.jpg正確には、装備品の開発経費が一定水準以上に膨らんだ場合に、開発中止を勧告できるとするNunn-McCurdy法の適応有無について審議した模様です。
もちろん、「Too Big To Fail(影響の大きい事業なので止められない)」なF-35ですから、継続を承認する方向で会議は終了したようです。しかし、2010年にNunn-McCurdy法抵触が明らかになってから、1年余り延期されてきたこの会議、根強い反対派や慎重派を抑えるのに苦労した後が窺えます。
21日付「Defense-News」によれば、この会議結果を受け、F-35を導入する3軍は運用開始時期を公式に決定するそうです。
ちなみに、空軍はA型を1763機、海軍は空母用C型を260機、海兵隊は垂直離着陸B型を340機と空母用を80機を要求するそうです。海兵隊は計420機も要求するようです。海軍は無人艦載機に移行ですね。
ちなみにF-35開発パートナー国は8つ
●Australia, Canada, Britain, Turkey, Denmark, Holland, Norway, Italy
●更に追加で、日本とイスラエルが購入決定
21日のDAB(国防調達審議会)では更に・・・
維持経費の見積もりを継続しているが、その額に課題がある。維持経費の高騰により、F-35取得ペースを低下させるか、又は導入航空機の飛行時間を抑制しなければならなくなる可能性がある
●また航空機受け入れ施設等の整備経費もより精査が必要である
・・・といった話が出たようです。
また、国防省のCheryl Irwin報道官によれば、数週間以内に公式な覚え書きを発出し、その中には、調達に関する決定事項として、コスト、スケジュール、性能諸元等が含まれる模様です。
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ちなみに、DABの議長役はケンドール国防次官代理(次期調達技術担当国防次官)です。このようなお役所仕事をやらされていると、ついつい愚痴が出てしまうんでしょうね。
おまけ・・・
15日、伊のモンティ首相はイタリア議会国防委員会で、財政状況を勘案し、F-35の調達数を当初計画131機から約30%削減し、90機にすると述べました。  これにより5千億ユーロが削減できる見積もり
「35価格は外国時の購入量次第」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-15-1
「F-35の生産開始は早すぎた」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08
「F-35運用体制は2018年に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-05
「豪が米のF-35計画を精査中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-29

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