欧州に有人戦闘機開発の計画はなく、次期無人機開発が欧州軍事航空産業にとって極めて重要
28日付「Defense News」は、欧州の主要航空産業であるEADS社とBAE+Dassault社の2つに分かれて行われている次期中高度無人機の開発を、何らかの形で協力して行ってはどうか、とのドイツの国防副大臣の発言を紹介しています。
欧州の航空軍需産業界が「無人機」に勢力を注ごうととしている事実、更に、ますます高度化して開発費が高騰する軍事装備品を協力して開発しようとする世界の趨勢、この2側面を表す事例と考えましたのでご紹介します。情報不足ですが・・・
Stéphane Beelemans副大臣は・・・
●(仏と独が共同で行うべき開発計画にはどのようなモノがあるか、との質問に)例えば無人機開発だ。過去からの経緯もあり、仏と独は別々に分かれて検討を進めている。
●この規模のプロジェクトが欧州内に2つ同時に存在していることが信じられない。仏と独は仲間になるべきだ。
●政治レベルで、2つのプロジェクトを共存させようとの意志はなく、共通のプロジェクトにしようとの政治意志が十分に存在する。
●相互運用性や整備性や運用や経費の観点からも、2つの異なるシステムを保有する意味は全くない。
MALE:medium-altitude, long-endurance UAVは・・
●EADS社が、Talarion advanced UAVを、仏、独、スペインに
●BAE+Dassault社が、Telemos air vehicle、英と仏に
—EADS社は、BAE+Dassault社のTelemos計画に対等の立場で参画したいと考えているが、BAE+Dassault社は英仏同盟体制を中心に据えたいと考えており、話は簡単に進まない模様。
—仏、独、スペインは、EADS社に約65億円を支払って開発リスク検討を実施させたが、EADS社は開発・生産に向けた契約をまだ得られていない
— BAE+Dassault社同盟は、MALE偵察無人機での共同事業を要望し、無人戦闘用航空機で協力を求めている。
—欧州に有人戦闘機開発の計画がないことから、次期無人機開発は欧州軍事航空産業の設計デザイン基盤維持にとって極めて重要である。
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事実関係に関する知識が不足していますが、何となく雰囲気は察していただけるかと思います。
欧州でも無人機はどんどん導入されていきます。いつまでも検討ばかりしているどこかの国は、生きる化石と成ってしまうのでしょう。
「有人無人両用のISR機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-10
「暴露ビンラディン作戦細部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-03
「なぜアフガンに無人ステルス機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-28-1
「グアム配備 Global Hawk」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-21
「RQ-4で海空協力合意」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-05-1