中国怒濤のアフリカ進出

suzuka3.jpgWikileaksの暴露した外交文書によると、米国務省のアフリカ担当次官補は中国のアフリカでの活動を「ノー・モラル」(昨年2月)と表現したらしいのですが、本日は月刊誌「正論」3月号に掲載された吉田鈴香女史の文書「寂しき大国、アフリカを貪る」から、興味深いところを「つまみ食い」させていただきます。
吉田さんは拓殖大の講師をされていて、広告代理店や出版社勤務の後、20年以上国際協力の取材をされている方です。吉田さんのwebサイトはこちら
アフリカには現在、2人の悪玉指導者がいる。ジンバブエのムガベ大統領とスーダンのバシール大統領であるが、中国は両者と良好な関係を保っている。
中国発表の「アフリカ経済貿易協力白書」等によると
中国のアフリカ貿易は、2000年は100億ドル、これが2010年には1200億ドル
中国のアフリカ投資は、2003年には4.9億ドル、これが2009年には93.9億ドル
中国のインフラ案件は、2009年までに500件。07年から09年の優遇借款は50億ドル、これが10から12年には100億ドル
suzuka.jpg例えば・・・ガーナで外務省ビル、スーダンで国際会議場、ラオスで中国と結ぶ道路、ソマリアの高速道路、チュニジアの運河、タンザニアの国立競技場、リビアの沿岸鉄道、ナイジェリアの鉄道、アルジェリアのホテル、エチオピアのテレコム等々・・・
2008年の経済危機以降、停滞する先進国の投資を中国が補ったと見ることが出来る。
2005年までは「箱物」による「点」の展開だったが、以後道路等、経済効果の大きいインフラ投資が増えている
●中国では、一般的に国の外交部門が担当する経済協力や援助を商務部(商務省や経済産業省に当たる)が担当している
●国際協力の基準である開発援助委員会(DAC)の基準加盟国ではないため、治外法権の状況
海外進出の手法例
まずスポーツシューズをスポーツ選手に贈り、中国に引かれる若者を増やす。次にスポーツスタジアムの建設資金を提供して相手国政府を喜ばせ、建設チームと称して人を送り込み、結局何万という中国人労働者が押し寄せて架橋が経済を牛耳る
直近の問題
スーダンの南部独立。中国はこれまで、スーダンの石油を確保すべくかなりの資金を投入してきた模様。また油田の警備のために人民解放軍を投入したと言われている。
油田の大半を保有する南部が独立すれば、中国のもくあみが水泡に帰す可能性も・・・。
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suzuka2.jpg中国の悪口で息抜きさせていただきました。
日本時間の15日午前5時からゲーツ国防長官とマレン統合参謀本部議長が2012年度予算案に関する会見を行います。今回は何が飛び出すか・・・慌ただしくなる前に・・・・・
筆者の吉田さん(52歳?)は、国際開発の専門家転じて政治家を志しておられるようでWEBサイトの「私の考え」には政策目標が並んでいます。

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