特殊作戦コマンドの充実

Olsonadm3.jpg8日、米特殊作戦コマンド(Special Operations Command)司令官のオルセン海軍大将(Adm. Eric T. Olson)が第22回特殊作戦と低列度紛争シンポジウム(主催National Defense Industrial Association)で講演を行い、急激に拡大しつつある特殊作戦コマンドの状況概要(snapshot view)について語っています。米国防省HP記事より
この分野も公開情報が少ないので、こんな機会にご紹介します。
海軍特殊部隊(SEAL)出身のオルソン大将は講演で・・
●特殊作戦コマンドはここ2-3年で急速に拡大しつつあり、「多様な部族」を合わせると約6万人が所属している。
●全兵士の約85%が米中央軍隷下で勤務しており、残りの15%も他地域からの要求に対応するため多忙な勤務を続けている。
●全兵士の約1/3が特殊作戦分野の専従であり、陸軍や海軍の特別コースを終了して特別徽章を授与されている。
他の2/3は、自分の軍種から一定期間この分野に配属で勤務する者であるが、2回3回と勤務してくれる者もある。
Olsonadm2.jpg●所属隊員の約半数は陸軍で、多い順に空軍、海軍、海兵隊が続く。特殊作戦コマンドは1987年に設立されたが、海兵隊が2006年に特殊作戦部門を新設したことにより、4軍全てがそろった完全な統合態勢になった。
現在は約80%が現役兵士であるが、約4年前には65-75%しか現役兵がおらず、他は予備役等でまかなっていた。
●兵士はかねてより特別な訓練を受けているが、ここ数年は装備面で特に目を見張る充実があった。特に・・・
MC-130 Whiskeyはガンを持っているがAC-130とは異なる。優秀なセンサーを備えた空中精密攻撃アセット(airborne precision-fire platform)である。
なおMC-130 Whiskey計画は、発想から90日で試作飛行が行われ、18ヶ月で正式配備になった調達改革の優等生である。
航空機搭載レーザー「high beam」は、地上の目標に照射して目標認識を容易にし、不適切な攻撃や友軍相撃を防止している。また敵への心理的効果も優れている。
–その他、単発や双発のターボプロップ航空機が、少数の人員や貨物を整備不十分な場所へ運ぶのに活躍し、ヘリコプターも増加した。
●911事案以前は迅速な行動を主眼に、大量の火力を用いることを考えていたが、ここ2-3年で目標に応じて適切な装備を適切な人員に配分して、火力を調整するようにしている。
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同じシンポジウムでマレン統合参謀本部議長は・・・
●10年に及ぶ戦いの中で、10回近くの戦地展開を強いている特殊部隊の兵士に「家族は大丈夫か?」と訪ねると、必ず「大丈夫ですよ」と答えてくれる。また私が兵士の家族に尋ねても同じ答えである
しかし私の妻が兵士たちの家族から聞いてくる話は全く異なっている。わたしは、前線においても、本国のおいても、この戦いを決して侮ってはいない。
国防予算への風当たりは強まるばかりで、どの部隊にも例外無く影響する。今後4年から5年のスパンで見れば、特殊部隊も戦いの嵐が静まったときにどのように態勢を変えていくかについて答えを出さなければならない。
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「MC-130 Whiskey」についてはよく分かりません・・・今後勉強してみます。
しかし・・・軍人もこのレベルになると奥様まで大変ですね。

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