10日、太平洋空軍隷下の第13空軍司令官が交代式が行われました。米空軍HP記事より
第13空軍司令官は、有事の際、中国正面を含む西太平洋地域(朝鮮半島を除く)の航空作戦を指揮する任務(Joint Forces Air Component Commander)を帯びており、米本土や全世界から展開してくる米航空戦力(空母艦載機を含む)を操る大変重要なポストです。
なお、第13空軍司令官は西太平洋の作戦を指揮するため、ハワイのヒッカム基地にケニーHQ(George C. Kenney Headquarters)を設け、内部に航空宇宙作戦センター(613th Air and Space Operations Center)を保有しています。
新司令官に就任したのは同日に昇任したクレスゲ中将(写真上:Lt. Gen. Ted Kresge)です。
生粋の戦闘機パイロットで、若き頃に嘉手納基地でF-15に搭乗していた経歴もあります。
戦闘機の運用に関する現場や司令部ポストを経た後、宇宙コマンドの上級スタッフを経験し、直前は米空軍戦術研究のメッカ・ネリス空軍基地の戦闘研究センター(Air Force Warfare Center)指揮官として、イラクやアフガンで空軍が如何に貢献できるかの研究に取り組んできた人物です。
米空軍Warfare Center関連記事
「米空軍の「トラの穴」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-18
「米空軍F-35のトラの穴」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-20
以前ご紹介したように、これまでのような空中戦ではなく、タリバンと戦う地上部隊を如何に空軍が支援するかを考えてきた人物であり、正に戦闘機パイロットの固定概念を捨てた勤務だったと思います。
第13空軍司令官は、Air-Sea Battleを空軍側から指揮遂行する任務ですので、戦闘機乗りや宇宙コマンドでの経験に加え、他軍種を支える役割も経験した人物として「白羽の矢」がたったのかもしれません。
なお、前13空軍司令官のカーライル中将(写真下:Lt. Gen. Hawk Carlisle)は、ペンタゴンの空軍司令部作戦計画部長(deputy chief of staff for operations, plans, and requirements)へご栄転です。
中国に対峙する前線指揮官として、Air-Sea Battle具現化策を検討した経験を携え、ペンタゴンで将来施策に反映させる役割を期待されたのでしょうか・・・・。
日米共同訓練「Keen Sword」の直後に離任とは・・・この演習を重要視したためなのか・・・
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