今後5年間で約9兆円削減するとゲーツ国防長官が米議会で宣言(16日)し、「我々が身を切る事無なくして、米国民の代表である議員さんに、予算の増額をお願いすることは出来ない」とまで述べた国防省を挙げての経費節減が、空軍に更なる装備品削減を迫っています。
Air Force Magazineの「Daily Report」6月25日版が伝えるその衝撃の内容は・・・
記事は→http://www.airforce-magazine.com/Pages/default.aspx
米空軍は24日に5時間、そして25日には約2時間に渡ってAir Force Councilを開催し、「何を削るか」について激論を交した模様です。
このAir Force Councilは、空軍副参謀総長を議長とし、空軍参謀本部の部長5名(資源計画、人事育成、システム兵站、戦略計画、研究開発)に副参謀総長補佐官、管理官、監察官を加えたメンバーで構成される空軍実務の最高会議です。
つまり、空軍参謀総長と空軍長官に持ち上げる最終案を決定する会議体です。
Air Force Councilに持ち出された削減案は・・・
●全てのB-1B爆撃機
●州空軍のF-15C/D(に加え、恐らく正規空軍のF-15も含む)とBlock50以前のF-16
●Global Hawk Block 40計画の中止(23日記事「U-2が引退できない」ご参照)
●多用途先進データリンク
●空軍基地の整理統合や閑散基地の機能停止
予算削減目標の達成に、上記案をどの程度を実行する必要があるのかは不明ですが、かなり空軍戦力の中心部にまで切り込んでいます。
既に今年中に250機の戦闘機(F-15を112機、F-16を134機、A-10を3機)を早期退役させることを決定済みですが、更なる上積みです。
同記事は匿名空軍幹部のコメント「これは少額の削減ではない。我々は空虚な空軍の時代に戻ることになる」を取り上げて、その衝撃の大きさを伝えています。
更に「もし空軍が削減目標の約3兆円(32billion)を達成できなかったら、国防省幹部がその分を空軍からはぎ取って他の分野に持っていくだろう」との同幹部の発言も紹介しています。
恐らく総額が約9兆円ですから・・・陸軍は厳しいから・・・海軍海兵隊で5兆円ぐらい行くかもしれませんね・・・
「海兵隊は生き残れるか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-16-1
仕分け担当レ●●ウ議員も真っ青な「予算のはぎ取り」ですか・・・。これだけ激しく米軍自身を叩くとすると、同盟国にはどんな要求が投げかけられるのでしょうか・・・恐ろしい話です。予選リーグ突破の喜びも吹っ飛んでしまいました・・・・
(写真左は、24日恐らく現役最後の訪米で勲章もらった折木統幕長です)
(ゲーツ長官の9兆円削減宣言)
「ゲーツ改革のまとめと整理」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
(400記事記念の特別保存版記事)
「400記事記念 反響大の記事特集」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-18
「中国は先制攻撃するのか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24-2
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