18日、フロリダ州オーランドで開催された米空軍協会主催のAir Warfare Symposiumでドンリー空軍長官が講演し、QDR発表を受けての米空軍の取り組みや状況について広範に語りました。
●最優先はいまの戦いでの勝利
アフガン、イラク、アフリカの角エリアでの勝利に我々は焦点を当てている。このため引き続き我々は、空輸、ISR、指揮統制、パートナー国の育成を通じて、統合及びコアリションに貢献する。旧式の戦闘機を早期退役させることにより、3600名を情報分析に投入し、地上部隊への連絡員を2倍にする。また過去2年間で、無人機の能力を3.3倍にした。
●核兵器運用部隊の建て直し
Global Strike Command(GSC)を編制し、またAir Force Nuclear Weapons Centerが運用を管理する体制を整えた。
●将来の遠隔攻撃能力
将来のLong-range-strike能力に関する研究開発のための予算を計上する。
●次期空中給油機の機種選定
(補足:昨年9月25日に提案要求書(RFP:request for proposal)の案を出して以降、企業との質問のやりとりを10回以上繰り返しています)最終的なRFPがまもなく発出されるだろう。我々は空軍の調達事項で依然最優先課題であるKC-Xについて、この夏の最終決定まで全力で取り組む。
●F-35の開発遅延
フライト試験が遅れ、生産と試験が並行的に進む状況は受け入れがたい状況に達している。
2年間渡り詳細に独立した立場から本計画のアセスメントを行った結果、国防省、米空軍、米海軍は、最も慎重な選択肢は、開発を延長して生産をスローダウンさせることであると決定した。
●人材育成
JTAC(Joint terminal Attack controller)の養成を増やし、連絡幹部職域キャリアーを創設した。また現在、サイバー戦分野と無人機運用部門の新たな職域キャリアー創設に向けた取り組みを空軍幹部が行っている。
●人材確保
引き続き採用と勤務延長に関しては良い状況が続いている。しかし我々は議会に対し、戦時に必要な緊要な職種のためのボーナスを要求している。その職域は、広報、契約、救難医療、施設、警備保全、爆発物処理、医療、特別捜査などである。
●同性愛問題
オバマ大統領の示した方向についての取り組みは、我々へのテストである。テストとは、問題を取り巻く政治的な論争に巻き込まれることなく、我々が軍や空軍のために、プロフェッショナルで冷静な話し合いが出来るか、また大統領や議会に適切な助言が出来るかのどうかのテストである。
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
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