死活的な戦いの季節に備えて

carterashton3.jpg2日、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で開催された軍の兵站活動に関するセミナーで講演したカーター国防次官(取得技術兵站担当:Ashton B. Carter)は、アフガニスタンへの増派と鍵を握る今後数ヶ月の「戦いの季節」に向けた輸送や兵站部門の準備が、かつて無い歴史的な規模で進行中であり、最も重要な挑戦に直面している、と語りました。
カーター次官は・・・
●「南極以外で、最も戦争をやりたくない場所を問われれば、それはアフガニスタンである」 陸の孤島で何もない難しい環境に我々は挑戦している。
MATV-14.jpg●例えば、IED(簡易仕掛け爆弾)対応車両のMRAPをアフガンに輸送しようとすると、まずパキスタンに集積場が必要、その準備にコンクリートと作業用トラックが必要、更にそのために作業用トラックの駐車場が必要・・・と続いていくのがアフガンの戦いである。
●しかし、全てが整ってから開始する必要はない(余裕はない)。我々は前線の兵士を支援するのだ。その過程が道路を走るようではなく、複雑な回路をくみ上げるようであっても。
●ゲーツ国防長官からIED対応を最優先するように指示を受けている。IED探知ロボット、金属探知器、地中探知金属探知器等々、数千億円分の装置が数週間から数ヶ月の間に投入される。
40a160.JPG●車列を組んで輸送する危険を減らす意味で、GPS装備のパラシュートによる食料や補給物資の投下供給が増加している。、無人ヘリ(写真)が使えるようになれば、兵士を路上に置く危険を避けられるので素晴らしい。
●兵士がパトロールに出る際、常に上空からカメラが監視できるように、無人機の増加に力を入れている。しかし無人機だけではこの夏に間に合わないので、同様の役割を果たせる気球や飛行船を増強しようとしている。
イラクの撤収に関しては、湾岸戦争後の撤収より規模は小さいが、時間的な余裕が無く、戦いを続けながらである点で難しい。8月末までに更に120万個の装備品を撤収させなければならない。どこへ、どのように、の両方が課題である。
carterashton2.jpgカーター次官は大変です。F-35の遅れ、KC-Xの選定、それに加えて「夏の戦い」に備えた兵站業務管理・・・。退任後は是非本にまとめていただきたいものです。湾岸戦争の時の話は「Moving mountain」(by バゴニス退役陸軍大将)がベストセラーになりましたから・・・。

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