26日から西海岸を訪問中のリン国防副長官が、ビバリーヒルズ、シリコンバレー等々の地域のリーダー層や研究者、更にはFacebookの社員にまで、安全保障上の課題を語り、協力や理解を求めています。。
広い米国・・・、ワシントンとは異なった開放的な雰囲気のウエストコーストでは、人の見方も違うんでしょうね・・・。それにしても幅広い人々に語りかけています。ゲーツ長官の考え「ゲーツ節」の復習もかねてご紹介します。
●国際問題評議会(ビバリーヒルズ)
・湾岸戦争のような強力で迅速な戦争のコンセプトは、今や我々の状況には当てはまらない。今や最も困難であると明らかになりつつあるイラクやアフガンでの戦いは、緒戦の激しさはないが、既に第一次と第二次世界大戦を合わせた期間を越えて続いている。
・戦争は非対称な方向へ向かっている。どの国も通常戦力では米国にかなわないので、その分野で米国に挑むものはいない。正面切って戦うのではなく、仕掛け爆弾やゲリラ戦術を使うのだ。また他の国は、地対地ミサイルやサイバー戦能力、更に対衛星兵器で米国の接近を拒否することに投資している。
・100ヶ国以上の情報機関が米国のシステムにハッキングしようとしており、その頻度と技術は級数的に増えている。私がもし「貴方を睡眠不足にさせる問題は何か?」と問われたら、私は即座に「サイバー攻撃だ」と答えるだろう。ただ間違えないで欲しいのは、国防省はローエンドだけでなく、ハイエンドまでの多様な全ての脅威に対応しようとしている点である。
・国防省は装備品の良い購入者ではなかった。調達システムの改革は将来脅威への備えの重要箇所である。iPhoneの開発期間が2年であるのに対し、国防省のそれは7年近くかかる。4世代遅れた技術で戦うことになっている。ゲーツ長官は、重複したり成果を出せていない装備品計画を切る厳しし選択を行った。その総額は約30兆円に上る。
●Facebook本社(シリコンバレー)
米国防省HP記事の前置き・・・Tシャツとサンダル履きが一般的で、オフィスの前にスケートボードが「駐車」してあるこの会社では、「ネクタイをした人は、うちの社員じゃない」と副長官一行を見かけた社員がつぶやいた・・・。
・我々(国防省)は他の組織と同じようにソーシャルメディアを使っており、我々にとって欠くことの出来ないものである。
・若年層に採用に使っており、若者への接点になっている。これ無しでは、優秀で優れた人材を奪われたも同然となる。
・同時に、長引く海外派遣や展開により両親と離れて暮らす23万人の子供たちの多くにとって、家族のつながりを維持する手段となっている。
・国防省は長く、ソーシャルメディアの利点を生かせず、同時にセキュリティー面でも何もなさなかった。この状況を改めるため、国防省はソーシャルネットワークへの接続ブロックを解除すると同時に、ネットワーク防御確立した。
・ネットワーク防御のため、まず300万人の国防省ネットユーザーへの教育を行い、必要な手順や措置について徹底して問題の50%に対応している。次の30-40%のためにファイアウォールや侵入装置を整備する。しかし最後の10-20%のために、我々は積極防衛を必要とする。洗練された侵入者を防ぐため、我々は一般企業との協力を必要としている。インドや中国にやられないように。
・私はどこに投資すべきかを考えるために来た。「force maltipliers」をどのように作り上げるかを考えるために。
国防省でサイバー攻撃対処の先頭に立ち、元レイセオン社経営陣かつロビイストであったリン副長官。カリフォルニアの青い空の下で、何か良いアイディアが浮かんだのでしょうか??
「士官候補生に語るシリーズ」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-10
「海軍士官候補生にはソフトに」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-09
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