前線兵士と将来へ9兆円捻出

gatesMarine.jpg「我々は政府機関のリーダーとして、前線の兵士に必要なモノを全て与えるためにベストを尽くす責任を負っている」
今後5年間で約9兆円の固定費又は間接経費(Overhead Costs)を削減するとゲーツ国防長官が米議会で宣言(16日)し、国防省及び4軍種がそれぞれに厳しい取り組みを開始していることをお伝えしてきたところです。
「ゲーツ改革のまとめ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
「更なる削減案で空軍激論」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-25
「もう次期爆撃機とは呼ばない」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-26
そんな中の28日、カーター国防次官(取得技術兵站担当)が国防省で記者会見を行った模様ですが、その前振りでゲーツ長官自らが改めて、必要経費捻出への決意を表明しています。米国防省HPはカーター国防次官の発言は掲載せず、ゲーツ長官の発言のみ紹介しています。
gatesdontask.jpgゲーツ長官が改めて曰く・・・
オバマ大統領は、厳しい財政状況と健全な財政運営のため、今後5年間の各省庁予算を増額しないと表明しているが、戦いの中にある国防省だけには1%の実質伸びを例外的に認めている
●例外的に予算増が認められているとはいえ、前線の兵士に最高の装備と物資を供給するにはそれでは十分ではない。
●原則的な視点及び政治的な現実を踏まえ、我々は納税者の全てのドルが有効に使用されるよう全力を尽くさなくてはならない。
●我々は既に不必要な計画や行動を削減してきたが、継続が必要な計画やプログラムも、より一層の効率性を追求して経費削減を進める必要がある。
●国防省全体で行っている約36兆円の諸契約を通じての物資やサービスの購入に関し、国防省はより効率的にならねばならない。
●この効率化達成のために明らに必要なのは、軍需産業やコントラクターとの緊密な連携である。他の全ての重要で不可欠な改革と同様に、本見直しにも時間が必要であろう。しかし我々はこれを成し遂げられると確信している。
Carter2.jpg「Defense Tech」の28日付記事によれば
カーター次官は先週25日、主要な軍需産業幹部にワシントンへの出頭を要請、28日にコスト削減や効率性向上、更には調達関連の政策変更について議論する模様。このほか28日午前にはCSISで、午後は国防大学で軍事ジャーナリストや取得調達関係職員に話をする予定。
辞書的にはOverhead Costsは、電気代、家賃、賃金などの固定費又は間接経費のことを指すようですが、実際に表に漏れてくる話は装備品の削減や開発計画の見直し・中断が中心の模様です。
carter.jpgゲーツ長官は将軍職や文民高官ポストの削減や格下げ、人員削減や組織のフラット化等をも対象にしていますが、これは最後まで表に出てこないような気がします。人を切るのは装備品を切るよりも難しい気がしますから・・・
28日にカーター次官から具体的な話がでれば、フォローします。しかし・・カーター次官の最近の公表写真は、手のジェスチャーが全て「コストの上限」や「経費固定」、「シーリング設定」のように見えてしまうのですが・・・
(400記事記念の特別保存版記事)
「400記事記念反響大の記事」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-18

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