「2+2」とは、2国の外務大臣と国防大臣の4人が一堂に会する会議で、安全保障問題を外交と軍事の両面から「深く」、「包括的」かつ「効率的」に議論する場のことを指します。
ちなみに日米間では、1990年から「日米安全保障協議委員会(SCC)」との呼び名で開催されており、最近では・・・・
2005年に「共同戦略目標(第1段階)」を発表、2006年は「再編の実施のためのロードマップ」
そして2007年には「同盟の変革:日米の安全保障及び防衛協力の進展」との共同発表がなされているところです。
でも最近は・・・日本の政権交代と普天間あれこれのため、「2+2」開催に至るような所まで新たな話が煮詰まらないようです。大丈夫か・・・・
14日、モレル報道官が発表した内容は・・・
●7月21日、初めての米韓2+2をソウルで開催する。
●議題は安全保障に関わる広範な話題。戦時作戦統制権移管に関する事や軍事力の即応性や抑止力に関することを含む。
●天安号事件以来、米韓はハイレベルで同盟強化や地域の安定化策について協議を続けてきた。
●2+2では両国間で協議してきた米韓軍事演習、つまり日本海と黄海を使用した新たな海空共同演習を近い将来実施することを承認するだろう。この演習は防衛的なものであるが、北朝鮮に見紛う事なきメッセージを伝えることになろう。
●戦時作戦統制権に関し、韓国側に当初の期日(2012年4月)で移管を受け入れる能力があることは疑いない。しかし移管時期を2015年12月に延期することで、移管するモノの範囲を拡大することも可能であるし、両国の移管準備をより良く整合させる事も可能になる。(以上、会見概要)
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演習の件は、中国との関係で注目です。来週水曜日の発表を待ちましょう。
空母ジョージワシントンが黄海でどのような活動をし、中国がどのような対応を取るかがポイントです。モレル報道官の会見でも、記者からは中国の対応に関する質問が盛んに出ていますが、基本的には海岸線から12nm以遠は公海でしょ・・・との雰囲気も感じられます。さてさて・・・
6月28日、トロントでの両国大統領記者会見では、韓国大統領が「以前より韓国側から戦時作戦統制権の移管時期延期を米国に要請してきたが、今回米側の理解が得られた」と経緯を説明し、韓国側の要求であったことを明示しています
戦時作戦統制権の米から韓への移管は、反米姿勢の強かった前政権の決めたことで、当時から韓国軍や韓国軍OBは大反対です。
理由は「米軍が有事の際に十分な支援をしてくれなくなる」、「戦力だけでなく情報分野でも韓国軍の能力は不十分。先頭に立って戦う能力はまだ無い」等です。
時は流れ、ゲーツ長官による「同盟国への義務履行」要求の高まりと、「Air-Sea Battle」による極東米軍戦力の「空洞化」の流れを読みとり、韓国は天安号事件を材料にして米国を朝鮮半島に取り込むことを必死で画策しています。地域情勢からすれば当然の判断でしょう・・・・
さて日本は・・・・(遠目ため息・・・)
CSBAと「Joint Air-Sea Battle Concept」の関連記事一覧はこちら
(おまけ)
「ゲーツ改革のまとめと整理」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
「400記事記念 反響大の記事特集」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-18
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