F-22を州空軍と空軍が2重運用

F-22Hawaii2.jpg先日、ハワイへ向けて飛行中のF-22を往年の戦闘機ファン慰問のためご紹介(記事「ロシアとロシア軍演習を斬る」)しましたが、ハワイのヒッカム基地に編成されるF-22部隊に関する記事が「州空軍」webサイトに掲載されましたので後日談としてご紹介します。
なんと・・・空軍と州空軍が双方のパイロットと整備員により運用するようです。記事に登場する「Joint Base Pearl Harbor Hickam」との呼称や機体の所有権に関する記述で理解できない部分も多いのですが、取りあえず記事とHolylandの見方をご紹介いたします。
記事の中身を見てみると・・・・
●今後ハワイに展開する20機のF-22の先陣を切って到着した2機を歓迎するセレモニーが、8日Joint Base Pearl Harbor Hickamで行われた。
●この5世代戦闘機は今後、空軍の第15航空団19飛行隊と州空軍の第154航空団199飛行隊の両方のパイロットにより運用され、その整備は両航空団の共同作業で行われる。
このF-22は、1987年から使用されてきた州空軍199飛行隊のF-15戦闘機の後任である。
●ハワイ州軍のロバート陸軍少将は、「F-22の到着は、州空軍と空軍の新たな関係の幕開けを告げる。我々は2006年からC-17をパートナーと運用してきたが、今回はF-22がこれに加わる」とセレモニーで述べた。
●今年の初め、第15航空団のバレット大佐は「本年はこれまでのC-17に加えて新たな2つのシステム、つまりF-22とKC-135を迎え、州空軍第154航空団とのパートナー関係を進展させる」と述べていたところである。
●(C-17は空軍が所有するが、)F-22はハワイ州が所有し、新たな4機のKC-135は空軍が所有する形となり、州空軍が既に保有しているKC-135部隊を補完することになる。(以上が記事概要
vision04.jpgなお、ロッキードマーチン社の発表によると・・・
これで作戦可能なF-22部隊は4つとなる。つまりバージニア州のラングレー基地、アラスカのエレメンドルフ基地、ニューメキシコ州のホロマン基地とヒッカムである。
その他、飛行試験を加州のエドワード基地、戦技開発をネリス基地、パイロット養成課程がティンダル基地が担当している。
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Holylandの(根拠無き・・・)推測
・州空軍は、領空防衛任務に当たるF-15の老朽化に対応するため(又は米本土での任務に当たる機体の引退を穴埋めするため)戦闘機が必要であった。しかしF-35の開発の遅延等で戦闘機の回しが出来なくなり空軍に泣きついた。
空軍側は、維持整備コストや運用経費を州空軍と折半することで、「ゲーツ長官厳命のコストカット目標額」の達成に貢献したい。
F-22とKC-135との一体的運用編成は、中国対応をにらんだ「Air-Sea Battle」コンセプトでは必要不可欠な、長距離攻撃を遂行するための部隊編成の変革
F-22Haw.jpgなぜハワイか?・・・グアムは中国弾道ミサイルの射程内で危険。嘉手納などは一番に被害を受けるので配備先としては不適。
今後ハワイのF-22は・・ハワイ領空のスクランブル対応に機体を割り当てつつ、更に稼働率が低いF-22の欠点を抱えつつ、少ない運用可能機体で時々嘉手納や韓国に飛来し、シャドーフォースとして同盟国へのコミットメントの言い訳的活動を行う。
有事初動では、取りあえずアラスカあたりまで避難して落ち着くのを待ち、可能ならば航空優勢獲得のため西太平洋戦域に少し顔を出すかもしれない・・・・・。
少し悲観的すぎるでしょうか・・・・。月間航空雑誌「航空情報」、「航空ファン」、「Wing」さん等(「軍事研究」もかな・・)には、しばらくの間でしょうが盛り上がっていただきましょう・・・・。
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