西海岸の裁判所で12日、同性愛兵士に対する「聞かない、明らかにしない(DADT:Don’t Ask, Don’t Tell)」方針の撤廃判決が出たことを受け、ゲーツ国防長官は21日、「DADT法関連で除隊する者の扱いに関しては各軍長官の判断を仰ぐべし」との指示を出しました。
判決の最終確定までの「宙ぶらりん」期間に部隊が混乱しないようにする措置です。ちょっと付いていけない話題ですので、本日は別件です。
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21日、米海軍第10潜水艦グループの広報担当士官が会見し、オハイオ級原子力潜水艦を保有する同グループの潜水艦4隻に計24名の女性士官が配置される予定で、2011年12月からの乗艦に向け現在訓練中であると発表しました。
広報担当官は「現在彼女らは訓練中であり、訓練に集中させるためここの士官の氏名は現時点では明らかにしない」と述べ理解を求めています。米国防省HP記事より
広報担当大尉は(写真は同グループ指揮官Barry Bruner少将)・・・
●戦略ミサイル原潜2隻(USS Wyoming, USS Maine)と巡航ミサイル原潜2隻(USS Georgia, USS Ohio)に配置する予定
●各艦に6名ずつ配置し、3名ずつのグループで潜水艦勤務と陸上勤務を交代しながら行う。
●一つのグループ3名の中の2名は潜水艦士官で、もう一名は指導係士官(warfare-qualified supply officer)である。
●24名は「原子力課程」、「模擬潜水艦訓練」及び「潜水艦士官基礎課程」を経た後、来年12月からほぼ同時に各艦での勤務を開始することになる。
●本年4月29日から海軍内での募集が始まった本任務には、海軍士官学校卒、ROTC卒、OSC卒の多様な士官から応募があった。
潜水艦への女性配置への道のり
●1973年 非戦闘水上艦への女性乗り組み開始
●1993年 戦闘水上艦艇への女性乗り組み開始
●2009年5月 メイバス海軍長官(写真)が就任直後に「女性の潜水艦配置を速やかに進める」と宣言
●2009年9月 ラヘッド海軍作戦部長が声明の中で「女性乗艦の水上艦艇指揮の経験からして、潜水艦への女性配置を好意的に受け止め推進する」
●2010年2月 ゲーツ国防長官が議会に、海軍が潜水艦に女性配置を要望している旨を諮問。議会でのレビューで特に問題なし。
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9月23日Duke大学での講演でゲーツ長官は
「特殊部隊にもっと女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02-1
●私が推測するに、海軍の潜水艦へ女性士官の乗艦が開始されるように、各軍の特殊部隊にもその方向性が慎重に適用されてゆくだろう。
●現在も民生協力活動、情報支援、航空士等として特殊部隊で勤務している女性はいるが、海軍のSEALやSpecial Forces A-teamsなどは男性に限られている。その範囲が拡大する可能性がある、と述べています。
引き続きゲーツ長官の「真意」のほどは不明ですが、手を挙げた先駆者たる24名の女性には敬意を表します。
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