ブラジル戦闘機選定が白紙に!?

20日付「DefenseNews」がBloombergのレポートを引用して伝えるところによれば、驚異的な経済成長を続けるブラジルの戦闘機機種選定が、財政健全化を優先したい新大統領の意向により影響を受けるようです。
ブラジルは「FX-2戦闘機プログラム」の名の下に、約3600億円で36機の戦闘機を購入する事を念頭に、以下の機種を候補として選定を進めていました。
Lockheed Martin’s F-16 Fighting Falcon
Boeing’s F/A-18E/F Super Hornet
EADS’s Eurofighter Typhoon
Saab’s JAS-39 Gripen NG
Sukhoi’s Su-35 Flanker
Dassault Rafale.
rafale.jpgブラジル空軍は、上記候補の中からF/A-18E/F, Gripen NG and Rafaleの3機種に絞り込んで更に詳細な比較検討を行い、最終的にスウェーデンのGripen NGを希望機種として当時のルラ大統領に報告しました。
しかしルラ前大統領は、フランスのサルコジ大統領を猛烈な売り込みを受け次第にラファエル(写真)に傾き、公の場でフランス製のラファエルを好ましく考えていると何度も発言していました
日系2世のサイトウ・ジュンイチ司令官が率いるブラジル空軍はこの発言に猛反発していましたが、多くの内外関係者はブラジルがRafaleを選定するだろうと考えていました。
brazilpre3.jpgそして、昨年10月31日の大統領選挙で選ばれた初めての女性大統領ルセフ女史は、自らを後継者に指名してくれた圧倒的な支持率を誇る前大統領の路線を引き継ぐと見られていました。
しかししかし・・・なんとBloombergによると・・・この女性大統領は、より優先する国内課題への資金投資のため、戦闘機の購入中止に傾いているらしいそうです。
ブラジルの2010年の実質GDP成長率は7%台が予想されており、引続き経済は好調に推移しています。現状に対する国民の不満が少ないと考えられる中、新政権の政策は、前政権と大差ないものになるとの見方が一般的でしたが、ここに来てなにやら新たな動きがありそうです。
今後の国家的行事であるサッカーW杯(2014年)や夏季五輪(2016年)を控え、ルセフ新大統領はより慎重に景気過熱を抑制し、いかに安定成長を継続させるかに関心があるようです。
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南米の安全保障環境を把握しているわけではありませんが、欧米アジアを含む北半球の危うい経済運営を見ていると、このような新大統領の施策にうらやましさと期待を抱いてしまいます。
はたまた・・・単に安全保障音痴なのか・・・
「FX-2と米ブラジル軍事関係」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-13

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