マレン統合参謀本部議長が8日発表した軍事戦略(National Military Strategy)については、一般報道が多数ありますのでそちらをご覧下さい。
ちなみに現物はこちら→表紙を含めて24ページ
昨年5月に半年遅れで公表された国家安全保障戦略(National Security Strategy)や昨年2月のQDRに沿ったモノで、オバマ政権がスタートして丸2年も経過して「やっと」出たモノです。
2004年に出て以来初の見直し・・・米国内では極めて注目度が低い印象です
「Air-Sea Battle」の背景となる問題認識と施策の推進を具体化したモノで、西太平洋戦域での戦力の増強とその分散配置、Resiliencyの改善向上、南シナ海での勢力維持と東南アジア諸国との連携強化など、本ページでお馴染みの考え方が示されているようです。
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本題の米仏国防協議ですが・・・
8日、訪米したフランス国防相ジュッペ氏(Alain Juppe)とゲーツ国防長官が協議を行い、アフガン、NATO改革、イラン核開発封じ込め、国際テロ対策、エジプト情勢について議論が行われ、宇宙に関する合意文書に署名が行われた模様です。
米国防省HP記事は、宇宙とエジプトとアフガンについて少し触れているだけですが、その触りをご紹介します。両国とも厳しい財政下、協力せざるを得ない状況にあるのでしょう。
国防協議後の記者会見で両氏は・・・
エジプト軍の行動等について
●エジプト軍は模範的な行動(exemplary manner)を見せた。彼らは抑制した対応を取り、彼らは全てに渡り、我々がこうあって欲しいと示唆していたように行動した。
●エジプトには秩序だった変革が必要であり、安定したペースで政府が発表して実行を約束した改革が進められなければならない。
●(ジュッペ国防相は・・)仏米両国は、公正で自由な選挙を望んでいる。エジプト国民の手によって今後の方向が決定されるべき。両国はそれを支援したい。
宇宙に関する合意は・・・
●宇宙における状況認識(principles for space situational awareness)共有の原則に関する共同文書に署名
●これらの合意は、我々の情報共有や両国の多様な能力の共同使用を促進する。
●本合意は宇宙における、誤り、誤解、不信を減らし、安全を高める役割を担う。また国家安全保障宇宙戦略(National Security Space Strategy)における重点であった国際協力の鍵となるモノである。
ジュッペ国防相は・・
●仏と米の軍事関係は、両国の高い信頼感に基づくものであることを強調したい。両国の協力関係は、アフガンから、最も挑戦的な新ドメインである宇宙にも及んでいる。
(なおフランスは、アフガン東部に一個旅団強を派遣し、米軍と共に活動している)
●ゲーツ長官には、厳しい予算状況にあっても、フランスは信頼できる仲間である、とお話しした。
なお、7日夜には、ゲーツ長官主催の夕食会がDCのレストランで開催されました。そのレストランは1824年に当時のアダムス国務長官が国賓として招待したラファイエット将軍(当時仏議会議員:独立戦争時に米側で戦う)が夕食を共にした場所だったようです。
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イラク戦争を巡り、米と仏が対立し、「フレンチフライ」が「フリーダムフライ」と呼び変えられたのがつい最近のことのようです。
どこのレストランでしょう・・・ワシントンDCにそんな古いレストランがあるのでしょうか・・・
「NSSS 国家安全保障宇宙戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-05
「宇宙戦争の指揮は女性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30
「前半:サイバーと宇宙演習の教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「後半:サイバーと宇宙演習の教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02
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