4月号の「AirForce Magazine」が「Afghanistan and after」との記事を掲載し、10年にもわたる厳しいイラク・アフガンでの戦いが収束に向かっても、その間に放置されていた様々な問題への対応に迫られるだろう、との趣旨の見方を紹介しています。
本日は、太平洋空軍司令官の発言、人材・人的資源面、そして州空軍や予備役面のエピソードを記事からつまみ食いします。
太平洋空軍司令官の視点は・・・
●太平洋空軍司令官のノース大将(Gen. Gary L. North)は、「グアムにRQ-4グローバルホークを配備したのは、西太平洋地域の複数の国がISR能力を向上させたいと考えているからである。今後は同盟国との訓練と技術側面での情報共有能力向上が極めて重要である。我々の能力を超える要望が寄せられている。」と述べている。
●また同大将は「安価な弾道ミサイルによって、数千マイルアジア大陸から離れた前線作戦基地が危険にさらされる現実に、太平洋地域の米軍が直面している」と述べた。
●空軍特殊作戦部隊は、CV-22を現在までに16機受領しアフガンの厳しい環境下で運用中。高度、ダスト、整備部品の輸送等々、これほど困難な運用環境はないが努力している。今後の50機態勢とアフガン後では、アジアや欧州で本来の特殊作戦に従事することになろう。
人的資源や人材育成分野は・・・
●特定分野での人材不足も課題である。空軍教育訓練コマンドのライス大将は「人材育成においては95%目標を達成しているが。残り5%が重要な分野だけに問題は小さくない。特に不足しているの職域が、救難救助員、暗号専門員、サイバー専門員の3分野である」
●米空軍先任下士官のロイ最上級軍曹は「2010年度に発生したアルコール絡みの事件は7000件、地上安全事故は3600件、離婚数や家庭内暴力・虐待事案も過去最高を記録してしまった。2011年の自殺率は昨年を上回るペースで、昨年の過去最高記録100人を超える勢いである」と深刻な内情を明かしています。
州空軍や予備役は・・・
●州空軍の活躍は既に必要不可欠な域に達している。州空軍は、全戦闘機と輸送機の3割強の活動を担い、ISR活動の15%を支えており、その比率はじわじわ上昇している。
●無人機(MQ-1とMQ-9)によるCAP数を、2013年までに現在の48から65に引き上げるため、空軍内の資源が大量に投入されている。この任務には州空軍や予備役兵が大量に投入されているが、給与面での諸手当により人材を確保している側面が強い。
●無人機関連の州空軍運用に米国境警備隊と税関が強い関心を示している。理由は、将来もしくはすぐにでも、これらの能力を持った人材や機材が国境警備や税関に任務を支援してくれないかと考えているからである。
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突然ですが・・・上記のように様々な問題を抱えながら、少なくとも課題を把握している米軍はまだ良いのでしょう・・
それにしても自衛隊は・・・。日本は本当に無人機をどのように安全保障に活用するつもりなのでしょうか・・・
この問題が、自らのポストや給料への影響を心配するパイロットの手によって握りつぶされている、又は主要な立場にあるパイロットによって遠ざけられているならば、国賊級の輩ですね・・パイロットは・・・。
サイバー戦に関してもそうです。F-Xのみを中心に据える石器時代の頭脳しかないパイロットが主導権を持っているとしたら・・・日本の不幸か・・・。