6月7日ラジオNIKKEIで放送の「日経ヴェリタス大江真理子のモヤモヤトーク」で関東大震災時の状況を紹介していました。番組名で検索するとパソコンやPODCASTで再生できますのでご興味のあるかたはどうぞ・・。
「日経ヴェリタス」とは週刊の経済分析新聞で、その内容や経済情勢を「ゆるく」かつ「楽しく」紹介するのが番組「モヤモヤトーク」です。7日の放送は、日経ヴェリタス編集長の越中さんと大江アナの出演でした。
番組内容に、ネット情報を加味してご紹介します・・・。
関東大震災時は首相不在
●関東大震災が1923年9月1日午前11時頃発生した時点で、首相も閣僚も空席だった。8月24日に加藤友三郎首相の急逝し、その後元海軍大臣の山本権兵衛に組閣が命じられたが、時の2大政党であった政友会と憲政会の折り合いが付かず、首相が宙に浮いていたのだ。
●そんな中、関東大震災が発生し、死者行方不明者10万人以上、被災者340万人に上る都市型大震災が発生した。
●地震発生の約30時間後、種々の経緯を経て2日の午後5時に第2次山本権兵衛内閣が発足した。この初動の遅れが被害を拡大させたと言われている。
●この内閣は12月27日に発生した虎ノ門事件(後の昭和天皇の車両が狙撃された事件)の影響で総辞職するまでの間、わずか4ヶ月あまりの内閣であったが、震災直後の対処と復興計画推進にあたった内閣であった。
後藤新平が復興計画策定を
●首相・山本権兵衛は内務大臣の後藤新平を災害対処と復興計画策定の責任者に指名した。後藤は、「復旧」ではなく地震前以上を目指すべく「復興」との言葉にこだわり以下を基本方針として掲げた
—遷都すべきでない
—復興費は30億円必要
—欧米最新の都市計画を採用して、我国に相応しい新都を造営すべき
—新都市計画実施の為めには、地主に対し断固たる態度を取るべき
●後藤新平は、当時で30億円(当時の国家予算は約15億円)の復興計画をぶち挙げた。最終的には6億円以下になったが、「大風呂敷」のあだ名に相応しい壮大な計画で、費用が掛かりすぎると政財界から大反発を受けた。例えば、東京港拡張建設や幅広道路整備など斬新なものも含まれていた。しかし結局、後の時代に多くが必要に迫られ実現することに・・・・。
先見の明と実行力
●その他、被害を受けた橋を大地震にも持ちこたえられる恒久的な橋(隅田川9橋を含む百以上の橋)へ、学校を鉄筋コンクリート製へ、防災都市確立の為に公園確保などに取り組んだ。清瀬橋、永代橋、両国橋なんかもこの時のもの。
●また震災による焼失区域1100万坪の全域に対する土地区画整理事業を断行する。各整理委員会で侃々諤々の議論を行いながら事業が進められた。この結果密集市街地の裏宅地や畦道のまま市街化した地域は一掃され、いずれも幅4m以上の生活道路網が形成され、同時に上下水道とガス等の基盤も整備された
●東京港開発は復興計画から漏れたが、その結果、当時唯一大型船が利用できた芝浦港に救援物資積載の船舶が集中して麻痺し、横浜港からの物資輸送も陸路の混乱から不十分で、復興のネックとなった。慌てて政府は翌年「日の出桟橋」の建設に着手し、1925年に完成させた。
●同様に予算の関係から当初計画からは削減されたが、現在の内堀通りや靖国通り、昭和通りなど都心・下町のすべての街路はこの復興事業によって整備されたもので、この東京の骨格は現在に至るまで変化していない。
財源と後藤の運命
●復興財源については、当初米国に復興国債を引き受けてもらう案もあったが、米国が既に大型病院施設を設置する等の大規模な支援をしてくれていたため依頼を断念し、国内で復興国債を発行した。なお復興国債の利子払いは国家支出を削減して捻出し、30年で完済する計画であった。
●なお復興計画を引っ張った後藤新平は、復興計画の実現を見ることなく、1929年遊説中の病で亡くなっている。
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台湾経営の話などを含め、改めて明治の人は真剣で立派だったと感じさせられます。面構えも違います・・・。
後藤新平は岩手県内陸部の水沢出身だそうです。今の東北の状況を見たらなんとするのでしょうか・・・
日本でのボーイスカウト運動の草分けとしても知られています。拓殖大学の創始者でもあります。そういえば・・ゲーツ長官もボーイスカウト出身でした・・・。
ゲーツ長官の学生卒業式や少年への講演
「ボーイスカウトの精神を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29
「ゲーツ長官引用の名言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-18-1
「米国の将来を悲観するな」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-09
「政治家よ目をそらすな議論を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
「CIAでの失敗を高校で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-25
「大学で「公への奉仕を」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-22
「ROTC学生へ 4軍が抵抗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07
「空軍は単に飛んでいたいのか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02
「特殊部隊にもっと女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02-1