4日、国防省組織の効率化・無駄削減の一環としてJFCOM(Joint Forces Command)の閉鎖行事がマレン議長等の列席で行われました。
JFCOMは統合レベルの作戦構想や訓練方針を定めるコマンドとして、鳴り物入りで1999年に創設されたばかりですが、ゲーツ前長官等が「イラクやアフガンで統合の流れは出来つつある。あえてこのコマンドを維持する必要はなく、地域作戦コマンドを各軍種が支える形態で十分だ」と結論づけ廃止が昨年決定されました。
統合の作戦コンセプト等を司る重要性及び国際社会との協力関係発展の観点から、世界各国からリエゾン士官を受け入れていたJFCOMですが、あっさりと解散です。
統合のトップであるマレン議長は、リビア作戦等々での統合作戦の有効性から、これまでのJFCOMの働きが結実した結果であると讃え、引き続き統合を「統合のための統合ではなく、国際社会環境や経済及び脅威の変化が我々に求めるモノのために」追い求めるべきだと訴えました。
そしてその背景を端的に・・・
●正に今、世界はよりフラットに、より迅速に、より相互影響関係を深めており、海と海岸線、空と地平線の間の明確なラインを引くことが出来なくなっている。
●例えば、宇宙やサイバーや情報ドメインでは、4軍は排他的にある領域で活動するのではなく、戦場で真に集団的に行動せざるをえない状況になっている
●より緊密な協力関係構築への要請は、厳しくなる国防予算環境からも来ている。誰も一人では物事を成し得ない。より率直に言えば、単独でそれぞれにやらせるほどの予算的余裕はもう無い。
●例えば、海軍と空軍が取り組んでいるAir-Sea Battle Concept策定は、偏狭な組織利害を乗り超え、迫りつつある21世紀の脅威に立ち向かうための動きである。
●このような統合によるアプローチは、一世代前には思いもよらなかった取り組みである。
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久しぶりにAir-Sea Battle Conceptに関する発言が出ました。
「率直に言えば、もう単軍種でやらせる予算的余裕はない・・・」、それだけが理由では寂しいですが、人間せっぱ詰まらないと「火事場の馬鹿力」も出ませんから・・・
マレン議長には、退任間近ですから最後の爆弾発言や暴露話でもしていただきたいモノです。今後に期待!!!
「マレン議長最後の訪日で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16
「マレン議長訪中と美人通訳」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-12
「軍事力使用の3原則」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-07
「軍事と外交が一丸となって」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-03
「米外交の軍事化を警告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-15-1