米パキスタン関係→離婚したいのに出来ない夫婦
中パキスタン関係→エクスタシーを感じる恋人同士
NATO部隊によるパキスタン国内誤爆で、米パキスタン関係が更に険悪さを増していますが、中国とパキスタン軍は共同訓練で親密さを増しているようです。
21日の週に行われた4回目となる中パキ共同対テロ演習には、両国軍合わせて540名が参加し、最後は両国軍参謀総長級が見守る中、落下傘降下の特殊部隊やペリコプター部隊がテロ組織のアジトを急襲する様子が公開されたようです。
冒頭の表現は、本演習を伝える26日付「Defense News」記事の表現を借りたモノですが、言い得て妙です。本日は、同記事が伝える演習の背景をご紹介します。
26日付「Defense News」記事は演習を・・
●中国はパキスタンへの主要な武器供給国である。また中国はパキスタン国内に2つの原発を建設し、更に2個を建設予定である。
●また、中国はアジアでの覇権を、パキスタンの宿敵であるインドと争っている点でパキスタンと通じるモノがある
●中パキ両国は、両国国境付近で活動する東トルキスタンイスラム運動(East Turkestan Islamic Movement (ETIM))が中国内のイスラム部族の独立を支援している事を懸案事項として、その対処を目的に本演習を行っている。
●ETIMに関する中パの関係は、タリバンがパキスタン領内を聖域として勢力を維持している事を米が問題視していることと似ているとも言える。
●一方で識者は、2002年に中国が国連にテロリスト登録を要請したETIMが本当に脅威となるような組織なのか疑問を持っている。せいぜい100人ほどのメンバーが、山岳地帯に散在しているような組織だからである。
●中国専門家は、中パ間には何らイデオロギー的な繋がりはなく、中国にとってパキスタン関係は、インドに対抗する戦略的な意味しかない、と見ている。
●パキスタンの退役将軍は「パキスタンが中国との関係を強化すれば、パキスタンの重要性が増す。そして、パキスタンが米国に対応する際のテコとなる」と表現した。
●演習終了後、パキスタンのカヤニ陸軍参謀総長は会見で、「我々は、中国にとっての脅威であるETIMや他の過激派を除去するため全力を尽くしてきた。なぜなら我々は真に、中国の安全保障がパキスタンにとって重要だと考えるからだ」と述べた。
●更に同参謀総長は「中国は地域の安定上非常に重要である。特にパキスタンとインドのライバル関係を背景として当地域を見る場合」とこれまで述べている。
●本年9月、米パ関係がここ数年で最悪の時、訪パした中国治安大臣に対しパキスタン首相は「中パ関係は山々より高く、蜂蜜よりも甘い」と表現したところである。
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世界のあらゆる場所で、あらゆる形で米中せめぎ合いの影響が現れています。
国際関係論のイロハ・・・「敵の敵は味方」の事例として最適ですね。