中国とインドが軍事協議再開へ

Ma Xiaotian.JPG5日付「Defense News」記事がニューデリー発として報ずるところ、12月8日から軍参謀総長クラスによる中国とインドの軍事協議がインドで開始される模様です。
ニューデリーを訪問する中国側の代表団は、人民解放軍の副参謀総長がトップを務める模様で、この種の対外政策協議に必ず出てくる馬暁天(General Ma Xiaotian)が出席すると考えられます。
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「米中戦略経済対話と台湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-11
軍事協議では、過去2007年と2008年の2回実施された陸上共同訓練の再開等が話し合われる模様です。
しかしこの協議、元々11月の28~29日で計画されていましたが、ダライ・ラマがニューデリーでの国際仏教会議に出席したことを理由に中国側が一方的に延期した経緯があります。
インド側関係者は、「両国軍は、更なる交流により相互理解を図る必要がある」と述べていますが。
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インドと中国の軍事関係は、両国のアジア全体でのつばぜり合いや、カシミール地方の領有権を巡る争いを反映して順調ではありません。
Indian-china.jpg2010年7月、カシミール地方を担任するインド軍司令官に、中国側が通常ビザの発給を拒否したことから、本年6月にワンランク下のインド軍人訪中まで、両国軍事関係は約1年間中断していました。
それでも6月の訪中団は、陸軍少将を長とする8名の代表団で、北京の他に上海と中国北西部の司令部を6日間掛けて訪問し、対テロと海上安全について話題にしたと報道されていたところです。
しかし、インドの安保専門家の見方は・・・
●両国の軍事交流に大きな成果を期待すべきではない
●この軍事交流は、政治分野での対話回復の隙間を生み出すぐらいのものであろう。
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再開と中断を繰り返し、ほとんど進まない。その間に中国の軍事力は益々向上する・・・米中の関係と同じ風景です。
chinaFlag.jpgそれでもまだ強硬な中国の方が対応しやすいかも知れません。中国と向き合う国にとって最もやっかいなのは、中国が柔軟姿勢を表面上だけ見せて周辺国にすり寄ってきた場合です。
各国内の自称平和活動家や親中派が力を得て、貿易や交流を通じて技術やノウハウの中国提供を進め、中国を刺激する軍備増強を抑え、時間を稼がれたあげく、ある日突然中国が手のひらを返し・・・と言った最悪のシナリオが懸念されるからです。
パキスタンと仲良く演習したばかりですが・・
「中国とパキスタンは密の味」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-28

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