昨年12月28日、パネッタ国防長官は、オバマ大統領が現在欧州米海軍司令官を務めているロックリア海軍大将(Samuel Locklear)を太平洋軍司令官(U.S. Pacific Command)候補者に指名した、と発表しました。
上院で承認されれば、09年10月から同ポストに就いているウィラード海軍大将(Robert F. Willard)の後任として、ハワイから極東、南シナ海、インド洋にまで及ぶ世界で最大の地域を担当する地域コマンド司令官に就任します。
ロックリア大将は、1977年海軍士官学校卒の水上艦艇乗りで、空母艦載機パイロットだったウイラード大将とはまた違った考え方の持ち主かもしれません。
ロックリア大将の経歴は・・・・
●海軍士官としての勤務は水上艦艇で始まり
USS William V. Pratt (DDG 44), USS Carl Vinson (CVN 70), USS Callaghan (DDG 994) 、USS Truxtun (CG 35)で水上艦艇勤務を経験
●艦長としてはUSS Leftwich (DD 984)を指揮
●その後は、第2駆逐隊司令、ニミッツ空母打撃群司令官、第3艦隊司令官などを歴任、2010年10月から欧州海軍司令官
●地上勤務では、海軍副作戦部長補佐官、海軍士官学校長、海軍司令部分析部長、同防衛計画部長を経験し、欧州海軍司令官直前は海軍司令部参謀長を経験
対リビア作戦で同大将は・・・
●NATOによる対リビア作戦(Unified Protector作戦)の米軍パートであるOdyssey Dawn作戦を指揮。
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主要な指揮官やスタッフとして、極東や日本での勤務経験がないのが気になりましたが、ゲーツ前国防長官時代に海軍司令部参謀長として「脅威の変化」や「戦い方の変化」をたたき込まれた方とお見受けいたしました。
米軍内で最大の地域統合軍である太平洋軍は、約31万の陸海空軍、海兵隊の兵士及び沿岸警備隊員と約2千機の航空機、6個の空母打撃軍を含む180隻の艦船が所属しており、対中国作戦の中核です。
ロックリア大将のBio
→http://www.navy.mil/navydata/bios/navybio.asp?bioID=180
「1/2米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28
「2/2米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-1
「補足米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-2
「2025年の海軍を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-19
「補足海軍トップが語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-20
「インドとミャンマーと日本」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-29
「あの戦争を何と呼ぶべきか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-26