中国とイランが南米で

US Southern Command.jpg13日、米南部コマンド司令官(Southern Command)のDouglas Fraser空軍大将が上院軍事委員会で証言し、イランと中国が南米・カリブ海地域で影響力強化を着々と進めている様子を説明しています。
南米の事を取り上げる事は殆どないのですが、中国とイラン絡みでアプローチを試みます。14日付のAF-magazine記事より
なお米南部コマンドは中央及び南アメリカ諸国とカリブ海諸国計45ヶ国を責任分担エリアとしており、司令部はフロリダ州マイアミに所在しています。
同大将はイランについて
fraserSouth.jpgイランは、経済、文化、安全保障分野で、ボリビア、キューバ、エクアドル、ニカラグア及びベネズエラと、modestな関係構築に成功している。これらの国は、米国の影響外で地域経済協力を目指すボリビア人民同盟(ALBA)に参加している国々である。
●イランはまた、36のシーア派文化センターを拠点としてその主張浸透を目指している。その内の一つは、1984年にユダヤ文化センター爆破に関与した過激派聖職者によって運営されていたブエノスアイレスの施設である
●我々は南アメリカ大陸周辺におけるイランの活動を厳しく監視する。先ほど米政府により未然防止された、駐米サウジ大使暗殺計画がその重要性を示している
中国の活動について
中国は南アメリカ地域への勢力拡大を図っており、同地域への兵器売却量は過去5年間で4倍以上になっている。
中国軍高官による当地域訪問も急激に増加しており、それに比例するように、当地域の18ヶ国が中国による軍事訓練を受ける様になっている。
Peace Ark.jpg昨年9月、中国の病院船Peace Arkが人道支援のために初めて西半球を訪れ、キューバ、ジャマイカ、トリニダードトバゴ、コスタリカに立ち寄って2国間の医療関係者の交換行事や支援を行っている。
●これらの動きは、当地域での外交、経済、軍事関係の拡大を宣言している中国の狙いと一貫している。
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ところで、このフレーザー大将。F-15やF-16を操り、戦闘機パイロットのエリートとして典型的な道を歩んでいる様にお見受けする経歴で、嘉手納とハワイに計4年間の経験もあります。
統合分野での勤務が短いながら、空軍参謀総長になってもおかしくないご経歴ですが、シュワルツ現参謀総長を押しのけるほどではないようです。
米空軍にはもう一人フレーザー大将がおり、ACC司令官です。こちらのお名前はWilliam Fraserです。
「中国がパキスタンで苦労」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-24
「セーシェルで米中様々」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-14
「中国のアフリカ進出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-14
「中国病院船がアフリカへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-02

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