7日付「Defense News」が、インド国産の原子力潜水艦1番艦が海洋試験を開始しすると伝えています。インドはその経済成長を背景に、大規模な軍事力近代化を進めており、その一環としてご紹介します。
国産原潜Arihantの概要
●Arihantは「Destroyer of Enemies」との意味。2009年に明らかになったインド国産原潜のプロジェクトで、核ミサイルや魚雷を搭載できる6000トン級の潜水艦5隻を建造する計画になっている。
●インド海軍司令官のVerma海軍大将は「Arihantは着実に運用開始に向け進んでおり、数か月以内に海洋試験したいと考えている」と報道関係者に語った
●また同大将は「我が国の海洋および核ドクトリンに、核安全保障(nuclear insurance)は海から提供されると付け加えることになろう」と述べた
●Arihantは85メガワット原子炉を備え、時速44km(24ノット)で航行可能で、乗員95名で運行される
●本年4月、インド海軍はロシアからリースを受けた原潜を就航し、原子力船を保有するエリート国グループ(米英露仏中)の仲間入りをした
●同大将は、インド海軍は現在43隻の各種艦艇を建造中であるが、この中には別のScorpene潜水艦の一番艦も含まれている。6隻調達予定のこの潜水艦は、2015年から18年に納入される予定
●またインド海軍は、来年8機のP-8I対潜哨戒機を導入予定である。
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Arihant原潜に搭載予定のK-15 SLBM(発射筒4基に各3発)は、射程700キロと短いが、艦種区分上は戦略原潜と扱われている模様。Arihantは既に2、3番艦も建造中と言われている。
ロシアから10年契約でリースのアクラ級原子力潜水艦(合計2隻予定)と合わせて、インド海軍の潜水艦勢力増勢が今後注目される。
インド海軍の原子力潜水艦取得にかける意気込みは非常に強く、今後も種々の動きがあるものと考えられる
なお、フランスからのScorpene潜水艦は、通常型潜水艦6隻の輸入と6隻のライセンス生産で決定している。
「インド空母の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-12
「パネッタ長官インド訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-06
「米印軍事交流の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-27