インド洋の大国同士が軍事協力へ
16日付「Defense News」は、インドとインドネシアが本格的な軍事協力協議を開始し、その範囲が人的交流や共同訓練に止まらず、武器の共同生産にも及ぶ方向にあると報じています。
記事は、中国脅威に関して米国と温度差があったインドが、中国軍がミャンマー島を借りてインド洋でのプレゼンス強化を図る様子を見つつ、東南アジア諸国との関係強化に乗り出した様子を伝えています。基本的に対中国が念頭にある取り組みであり歓迎すべきでしょう。
また、、バラバラなASEAN取り纏めに奔走しているインドネシアの国益にかなうものであることを祈念する次第です。
16日付「Defense News」記事は・・
●16日、インドのアントニー国防相とインドネシアのYusgiantoro国防相がデリーで会談し、両国軍の共同訓練から武器の共同生産や販売について議論した
●アントニー国防相は会談後、インドネシア側との協議を「転換点だ」、「素晴らしいスタートだ」と表現した
●インド国防筋は、共同訓練や人的交流面での合意に加え、軍事装備品や兵器の共同生産に向けたロードマップを作成することにもなったと語り、インド製の巡航ミサイル・ブラモス(BrahMos)のインドネシアへの売却についても議論したと述べた
●両国はまた、マラッカ海峡における共同艦艇パトロールについても話し合ったとインド側の公式発表は説明している
●インドの地域諸国との関係強化は、中国がインド洋での影響力を拡大する中で、インドの「Look East」政策推進する一部を成すものである
●インド国防相は「我々はバランスの取れた安全保障と協力機構を重視し、これらを通じ対話と共通認識の確立を図る。また我々は、インド洋地域のすべての国との2国間ベースのパートナー関係改善を追求する」と語った
●中国はミャンマーのココ諸島を借用し、インド海軍やインド弾道ミサイルの試験を監視している
●一方でインドは、インドネシアのスマトラから僅か80nmの距離にあるニコバル諸島に3軍の指揮施設を置き、中国動きを観察している
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ココ諸島もニコバル諸島も、インドネシアからミャンマーに至る海域に連なって点在する島々で、タイ西方のアンダマン海を囲む島々です
アンダマン海に沈む夕日の美しさで知られる地域ですが、波高しのようです
「パネッタ長官インド訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-06
「米印交流:米特別チーム」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16
「中国がパキスタンで苦労」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-24
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「脅威の変化を語らせて」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08