8日、共和党大統領候補のロムニー氏が軍関連施設で安全保障政策に関する講演を行い、オバマ大統領の現計画を見直して、海軍の増強を行うと語りました。
あわせて、国防予算の強制削減へのオバマ政権の対応を批判したり、リビア領事館襲撃への対応のまずさ等を批判しています。
一方でロムニー氏が海軍以外の軍種にはほとんど触れず、また彼のチーフ安全保障アドバイザーが元海軍長官(John Lehman)であることから、先日の候補者討論会で勢い付き、調子に乗って準備不十分な分野に小手先の準備で臨んだのではないかとも言われています
またこの海軍増強案に対しては、その財源案が不十分だとの批判が当然のごとく出ていますので、その意見も併せてご紹介します
VMIでの講演でロムニー候補は・・・
(VMI:Virginia Military Institute)
●米海軍の総艦艇数を現在の280隻台から350隻に増強する。このため、年間の艦艇建造数を現在の9隻から15隻に増加させる
●11番目の空母航空団を追加する。
●海兵隊の強襲揚陸艦数を増やす
●F/A-18製造の2014年修了計画を変更し、F-35と同様に生産を継続する。
●ミサイル防衛用イージス艦やフリゲート艦を増強する
●来年1月2日から発動される強制削減による国防費カットを防ぐために、オバマ大統領はリーダーシップを発揮していない
●リビア領事館襲撃事件後、オバマ大統領は最初に反イスラムのYouTube映像を非難したが、オバマ大統領が反イスラム的感情を米国民に芽生えさせるような政策を取ってきたことこそが非難されるべきだ。
一方で専門家はロムニー案を酷評
(Lexington InstituteのLoren Thompson氏)
●ロムニー候補は、これら海軍増強予算を「装備品要求性能の早期確定、不要なスタッフの削減、企業間競争の促進による価格低下効果」によってカバーすると主張するが、極めて疑問である
●この程度の施策で、膨れ上がる経費をねん出できるとは到底思えない
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どこの国でも「バラマキ政策」が流行しているようです
ただし、本日ご紹介している「DODBuzz」記事の読者コメント欄には、その辺りを厳しく追及する投稿コメントが並んでおり、単純に軍備増強を叫ぶ傾向はないような印象を受けました。
米軍には今回の財政危機克服を通じ、脅威の変化への軍人理解の促進、軍装備体系や作戦意識改革の推進、軍産複合体の関係改善等々について、同盟国等の見本になるような改革を行ってほしいものです・・・。
そうならないと日本は自分で変化できそうな気がしませんから・・・。
「脅威の変化を語らせて」
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