混乱エジプトへ米国が新F-16提供へ

F-16.jpg11日付のUPI通信は、ムバラク前政権時代に合意していた米国からエジプトへの新型F-16の無償供与について、疑問視する声が米国内で広がっていると報じています。
また併せて、英国軍需産業を支えるため英キャメロン首相が、サウジ・UAE・オマーン等で「武器売り込みツアー」を行っていることも批判的に紹介しています
エジプトへの最新F-16提供について
20機のF-16戦闘機を、専制傾向を強めるエジプトのイスラム主義大統領に提供しようとする米政府の決断は、欧米で非難を集めている
●20機のうちの最初の4機が来年1月22日までにエジプトに提供されるが、総額800億円もの援助計画は「アラブの春」でムバラク前大統領がその座を奪われる前に合意されたものだ
Morsi2.jpg米国の納税者は今回の4機のために約160億円を提供し、旧式のF-16を約200機保有するエジプト空軍の近代化を支援することになる
●これは米国からムスリム同胞団所属のモルシ大統領へのサポートメッセージとなるが、このモルシ大統領は最近、エジプト議会や裁判所の力を弱め、自身の権力強化を図ろうとして大規模国民デモに直面したばかりである
共和党議員は「オバマ大統領は、米国を同盟国だと明確に呼ばないようなエジプト大統領と政府に、米国民のお金を気前良く与えるのか!」と米政府の姿勢を激しく非難している
●アラブに春の後、オバマ政権は専制的な支配者を排除した国々への影響力保持に懸命であり、同時に、米国防予算が削減される中、米軍需産業への受注を確保する必要性にも迫られている
英国首相も非難の対象に
Cameron.jpg英議会のメンバーはここ数か月、(アラブの春の進展を恐れ)人権を軽視しがちな湾岸産油国への非難を強めている
●このため、キャメロン首相ら高官がサウジ・UAE・オマーンを訪問した際は、「アラブの春を支援するとの名目でタイフーン戦闘機100機の武器セールスを行った」、と英メディアから厳しい非難を受けている
フランス新大統領のホランド氏も同様の旅を行ったが、英国と同様なんら色よい返事はもらえなかった
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F-16 aide.jpgエジプトへのF-16について言えば、米国からの部品や整備等の技術支援がなければ継続的に飛行させることは難しいのでしょうから、脅威になる心配を米国はあまり感じていないのかもしれません
それにイスラエルと同等の装備を提供するとも思えません
米国は、エジプト政府よりエジプト軍とのつながりを大事に考えているのでしょう
欧州社会の没落は思いのほか早いのかもしれません
右肩下がりの社会をどのように運営していくか・・・歴史上にもこのような経験をした社会や国家が存在したのでしょうが、つらい歴史は語り継ぐ楽しさもなく・・・・どこかに無理やり埋めてしまったのかもしれません
「ギリシャと通貨統合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-7-11-1
「偽りの解釈:ギリシャ文明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-03
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