10年以上不履行:台湾への潜水艦売却

Submarine.jpg台湾軍を巡る悲哀に満ちた状況は、F-16の売却問題等を通じて時々ご紹介してきましたが、「悲哀」の度合いが格段に高いのが10年以上放置されている潜水艦売却の約束です
中国軍のA2ADに対抗する装備として、F-16戦闘機より遥かに有効だと考えられる潜水艦ですが、中国の顔色を伺って誰も売ろうとしない状況が続いています
27日付Defense-News記事が米議員の台湾訪問に関連し、断片的ながら潜水艦売却問題に触れています
2001年4月、時の大統領2代目ブッシュは、包括的な台湾への武器売却パッケージを発表した際、8隻の通常動力潜水艦を含めることを許可した
しかしそれ以降、潜水艦売却に関する進展はほとんどない米国は通常動力の潜水艦を40年以上製造しておらず、生産ラインがないので実質上直接提供できない
●通常型潜水艦を製造しているドイツやスペイン(北欧の国も)は、中国を怒らせる事を恐れ、受注を断っていると言われている
Edward Royce.jpgEdward Royce下院議員(共和党:加州選出)を団長とする東アジア訪問団が、26日から台湾を訪問している。議員の台湾訪問自体が珍しいことであるが、27日には台湾海軍の基地(Tsoying naval base)を訪問している
●訪問間の細部やり取りは不明だが、台湾地元紙は匿名の関係者談として「台湾側は直面する切迫した軍事的必要性を説明し、潜水艦売却推進を強く要望した」と報じている
台湾は現在4隻の潜水艦を保有していることになっているが、オランダ製の2隻のみが作戦行動可能である。残り2隻は1940年代米国製の骨とう品である
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Submarine2.jpgかつては、ドイツ等が製造した通常型潜水艦を米国が一度買い上げ、米国がその責任で台湾に売却するルートも検討されたようですが、中国の「ご威光」の前に実現しなかったようです。
米国内に生産ラインを再度立ちあげる案も10年前にはあったようですが、今となってはそんなお金がある訳もなし・・
日本が製造して売却できれば、中国以外は、世界も日本の軍需産業界も安全保障関係者も大喜びでしょうが・・・。最近富に勇ましい自民党政権に期待いたしましょう。
産経新聞が「専守防衛」をまず見直せ・・と社説(28日付)に掲げた勢いで・・。
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