19日、米空軍宇宙コマンドが第1段階としてモバイル端末1万台の配布を開始し、部隊内の情報共有を効率的に行う施策をスタートすると発表しました。
同日、米民間セキュリティ会社が、中国軍部隊による米企業へのサイバー攻撃やデータ強盗疑惑を報告書として発表したこともあり、米空軍の施策を「お手並み拝見」気分でご紹介します
担当の空軍准将は施策概要を
●アップルのOSとアンドロイドのツールで、メール、カレンダー、文書、国防省が許可したアプリ等の使用を認め、最新技術で軍行動のさらなる効率化を目指す
●公式なデーターは暗号化されて安全な場所に保存されて許可された端末使用者に供され、FacebookやTwitter等、国防省の指針に沿って空軍が許可した外部アプリも使用が許可される。ただし空軍兵士個人に関するデータは切り離されている
●日進月歩を続ける民間技術の利便性と、米空軍使用者の情報保全と必要機能の最適なバランスに配慮しつつ、生産性と効率性向上を追求することが狙いである
●端末の亡失、盗難、破損に対する安全策として、空軍は端末を追跡して遠隔操作でアプリレベルでのデータ完全消去を可能にしている
サイバー戦担当の24空軍司令官(女性)は
●接続性と情報保全と端末管理という難しいバランスへの挑戦が、今日の空軍作戦を支える装備品の重要なカギである
●特殊作戦部隊の「e-tools」や電子化された操縦者マニュアル等々、空軍の上層部から前線兵士までを成功に導く装備を導入することが狙いである。
●情報保全を確実にする技術やインフラを通じ、政府他機関、産業界や学界とも連携しながら、任務をよりスマートに、効率的に、安全な手法で遂行する追及を継続する
シェルトン宇宙コマンド司令官は
●空軍兵士の作戦遂行の能力を高めるツールの提供を続ける
●公的機関と民間の優れた技術を結びつけることが、兵士の能力向上努力に通じる
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最近、米国防省や米軍内のサイバー対処要員の質が問題視されたり、関連技術者の採用が困難な状況がクローズアップされることが増えているような気がします
そんな中でも、前進ですね・・・。お手並み拝見です。
米空軍webサイトコメント欄には「予算削減の中、そんな金があるなら即応性維持に使え!」とか「空軍の歴史上数多く存在した泡沫プロジェクトの代表例だ」との辛らつなコメントが並んでいますが。
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