19日、今頃やっと外国人が「初めて」F-35を操縦して飛行しました。操縦したのは英空軍のFrankie Buchler少佐(Squadron Leader)で、元はジャガーやタイフーンのパイロットです。
同少佐は、フロリダのエグリン空軍基地にある「F-35 Integrated Training Center」でF-35整備員と共に教育を受けており、初フライトは同基地周辺空域で行われた模様です。
初飛行は、あくまでもF-35で離陸して飛行し、無事着陸するのが目的の基本中の基本だそうで、本格的な作戦運用試験は2014年に加州のエドワーズ空軍基地で行われる予定だそうです。
なお、同訓練センターは米国及びF-35購入国の操縦者と整備員を教育する一大拠点となる予定の組織で、このままF-35を導入することになれば、日本からもエグリン基地に多数の要員が派遣されることになるのでしょう・・・。
米空軍web記事によれば
●他の機種からF-35に転換するには、6~7回のフライト、時間にすると約10時間の飛行が必要である
●英軍少佐と飛行した米海兵隊の大尉は、「まずは基地周辺のトラフィック・パターンで機体への習熟を図ったが、問題の無い飛行で、少佐が熟練操縦者で自然とF-35に馴染んでいる事をを示している」と語った。
英空軍Buchler少佐は初飛行後・・・
●特に驚きは無かった。ジェット機での飛行は快適だし、予定通りの飛行が出来た。訓練センターの地上シミュレーター訓練のお陰だ。
●4月上旬には(同基地での)転換飛行訓練を終了する。
●F-35は全てのセンサーが情報共有に供されており潜在能力が素晴らしい。我が軍のタイフーンと良いチームを組めるだろう
●今後、12名の整備員と2名の操縦者は今春中に3機目のF-35Bをエグリン基地で受領し、2人目の操縦者も2週間後に初飛行の予定である
●2018年に英軍F-35チームは地上からの初期運用能力(IOC)を獲得し、2020年には空母クイーン・エリザベスでの運用を開始する予定である。
訓練センターを指揮する第33航空団司令官は
●F-35計画の新たな一歩を記したこの日に相応しい、素晴らしい春の日だった。
●少佐と英軍チームは、引き続き操縦者と整備員の基礎を固めるため着実に前進するだろう
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F-35の海外導入国で最も進んでいる英軍でもまだ初飛行状態です。しかも初期運用能力獲得が2018年(平成30年)で、空母での運用開始が平成32年見積もり。
日本の「獲らぬ狸の皮算用」では確か・・・今更ながら、すでに破綻している気がします。
最近最も気になるのが、これまで痛烈にロッキード社を批判してきた米軍F-35計画室長のBogdan中将が、そのトーンを軟化させ「比較的順調」との発言を始めていることです。依然、全く先が見えていないのにです・・・。
例えば→http://defense-update.com/20130314_f-35-avoiding-the-death-spiral.html
恐らく、あんまり言い過ぎると海外パートナーに逃げられる恐れが生じてきたため、政財界上層部から「お叱り」を受けたのでしょう。
予算の強制削減を受け、米軍戦略の根本的見直しが始まりました。ある日突然、梯子をはずされるかも・・・。要注意です
「計画室長がF-35企業を再度批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-01
「CNASがF-35の調達中止を提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-14
兄弟ブログ「輪になって踊らず」の新記事
「戦闘機の呪縛から離脱せよ!」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
最近の「亡国のF-35」カテゴリー記事15本
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