8日付Defense-Newsは、予算の強制削減の伴う米空軍航空機の飛行時間削減に関する内部文書を入手したとして、具体的に影響を受ける52個の飛行隊(Squadron)や航空団(Wing)団名を公開しました。
文書によれば、在日米空軍も3/4が影響を受けることになっています。ちなみに本件に関し米空軍に問い合わせたところ、返答がなかったのこと。
米空軍の飛行時間予算は、全体の18%にあたる2013年度約530億円縮小され、飛行時間約44000時間が9月までの間で削減されるようです
中には、先日韓国に2機飛来して北朝鮮に圧力をかけた形になったF-22飛行隊も含まれており、所属している米本土バージニア州ラングレー基地に戻り次第飛行停止になるようです。
空軍戦闘コマンドACC作戦部長署名の文書には
(署名はCharles Lyon空軍少将)
●文書には52個の飛行隊(Squadron)や航空団(Wing)名が記されており、例えばF-22に関しては、
—94th Fighter Squadron – Grounded April 9(4月9日から飛行停止)
—27th Fighter Squadron – Basic mission capable through September(9月までの間、基本任務のみ実施可能なレベルまで飛行時間削減)
—15th Wing – One squadron combat mission ready through September(9月までの間、航空団所属の飛行隊の内1個のみ戦闘任務実施可能なレベルに維持)
等々と記述されている
●対象機種は、F-22、F-15、F-16、A-10、B-1、B-52、HH-60、E-3、SE-4B、EC-130、RC-135、WC-135、TC-135
●記載になくても、全ての作戦用航空機部隊は9月の最後の業務日7日間、飛行を停止して経費を削減する
●飛行停止や削減した飛行時間分は、空軍戦闘コマンド内で再配分される。
●本年2月、空軍高官は議会で、即応態勢を低下させた飛行部隊は、仮に飛行時間が元に戻っても、部隊の練度を戻すのに6か月間を要すると証言している
在日米空軍への影響(戦闘用航空機)
●三沢基地のF-16
–13th Fighter Squadron – Combat mission ready through September
–14th Fighter Squadron – Basic mission capable through September
●嘉手納基地のF-15
–44th Fighter Squadron – Basic mission capable through July, then Combat mission ready through September
–67th Fighter Squadron – Basic mission capable through September
●嘉手納のE-3(AWACS)
–18th Wing – One squadron basic mission capable through September
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内部文書は4月9日から有効となっている模様で、ご覧のように在日米空軍の主力機も、戦闘機は1/4、AWACSは1/2のみが現状維持です。
アジア重視とか言ってもこれが現実なんでしょう。
米空軍による公式発表ではありませんし、「Combat mission ready」と「Basic mission capable」の違いも記事からは細部不明ですが、日米共同訓練等には確実に影響があるものと思います。今後の追加情報に注目です
「空軍2トップが強制削減策を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-15
「サンダーバード飛行中止」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-05
「米テストパイロット教育の改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-29-1
兄弟ブログ「輪になって踊らず」の新記事
「戦闘機の呪縛から離脱せよ!」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
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