35歳になったF-18はどこへ?

F-18.jpg10日、ボーイングが製造して米海軍や海兵隊が使用しているFA-18ホーネットの「35歳」を祝う式典が、米海軍のPatuxent River航空基地で行われました。
現在も米軍だけでも電子戦型機のEA-18G を含め600機近い機体が活躍し、現計画ではトータル800機の調達が計画されているようです
F-35の開発遅延により、寿命延命措置が進められており、2030年代までの運用も視野に入っているようです。
米海軍協会webが35歳を記念して記事を掲載し、断片的ながらFA-18の今後をを紹介していますのでご紹介します
FA-18ホーネットのあれこれ
●米海軍は2014年度予算にFA-18の追加購入予算を計上しているが、現時点ではこれが最終調達となっており、生産は2016年に終了する事になる
FA-18はこれまでに490機が生産され、最終駅には563機が納入される予定であり、電子戦機型のEA-18Gは90機が生産され、最終的には135機の納入が予定されている
●特に電子戦型のEA-18Gは、脅威の変化に鑑み、これまで2回増産決定が行われ、それぞれ26機と21機(2014年度予算)が増産されることになっている。
FA-18.jpg●現時点では2014年予算が最終調達だが、ボーイングは2015年以降もFA-18の調達が続き、2020年までは生産が続くと予想して生産ライン閉鎖を考えておらず、逆に調達に長期間を要する部品を自社判断で来年4月には発注する可能性が高い
●ボーイングは、現在の年48機生産から年24機生産にまでペースを落としてもコストを維持できると分析している。ちなみに電子戦器機とエンジンを除いたコストは、FA-18で37億円、EA-18Gは46億円である
●F-35Bが行き渡るまで、海兵隊の主力戦闘機であるF-18A型からD型を運用させるため、延命措置も必要である。従来の寿命8000時間から9900時間まで延命させる措置である。
当初の設計段階では6000時間だったものをここまで伸ばしている。これまでに100機のFA-18s (A~D型まで)に延命措置(SLEP)を受けた
スーパーホーネットも少なくとも9000時間までの延命が必要だが、これまでのFA-18での経験から、F/A-18EやF/A-18Fを延命して2030年代まで飛行させる事はそれほど難しくはない
●F/A-18EやF/A-18Fは、2030年代までの運用に備え、搭載システムの能力向上計画も計画されている。機体にフィットした追加燃料タンクもその一つだ。
●しかしここまで語った海軍関係者は、この能力構造計画は空母搭載F-35の調達とは無関係であり、 F/A-18EやF/A-18Fを延命や能力向上しても、決してF-35Cの調達数に影響を与えないと強調した
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F-18CV.jpg覚えておきたいのは、戦闘機の延命が比較的容易であること、そして米軍関係者がF-35の調達数減少に関する噂が立つような発言をしないように気を遣っている点です
戦闘機の延命はF-35の開発遅延で米空軍F-15でも行われており、これまでの寿命前提が「あっさり」「たっぷり」見直されています。
高価で導入にとてつもないリスクを伴う新機種(F-35)より、これまでの機種に最新の搭載兵器を載せる方向をまず考えるべきです。F-18後継に関連して、海軍トップも母機よりも搭載システムでだと語っています
「母機よりも搭載装備を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-11
「F-15の寿命を2倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-27
「F-16の延命措置300機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-31-1
もう一つは、F-35の調達数削減が「避けられない」にも関わらず、その年度の予算案まで(外国の懸念を誘わないように)決して言及しない方針が米軍幹部間で貫かれている事が伺える点です。
13日の記者会見で空軍参謀総長も極めて慎重に発言しています
「F-35の調達数削減について話すにはよい時期だとは思わない。今話すことはコストを増大させ、計画を危機に陥れる」と

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