中東和平進展に米軍投入か?

Kerry.jpg12月30日付DODBuzz記事は、ケリー米国務長官がイスラエルとパレスチナの和平交渉進展のため、和平協定の提案にイスラエルとパレスチナ間に米軍を配置する案を考えているとの複数のメディア報道を紹介しています
ケリー国務長官は、外交通としてのキャリアの最後を、中国や北朝鮮問題よりも、中東問題の中核である中東和平問題(イスラエルとパレスチナ、シリア、ヨルダンとの交渉)の解決に捧げたいと考えているらしいと言われていますが、そんな報道の一つです
安倍総理の靖国参拝関連で質問攻めにあっている国務省のMarie Harf副報道官は、この件でも年末年始忙しそうです。もっとも本件に関しては「ノーコメント」で通しているようですが・・・。
12月30日付DODBuzz記事によれば・・・
Harf.jpgロンドンのアラブ系日刊紙とイスラエルの情報サービス会社は、ケリー国務長官がヨルダン川西岸地区でのパレスチナ国家設立の平和条約枠組みに、米軍をイスラエルとパレスチナ国家の間に駐留させる提案を行う予定だと報じている
●両方の報道は、パレスチナ側が最終合意案にヨルダン川西岸地区からのイスラエル軍とイスラエル入植地の完全撤退を強く求めていることを受け、ケリー長官が米軍展開案を持ち出したと伝えている
●12月30日の定例記者会見で、米国務省のHarf副報道官は、ケリー長官の提案枠組みについて一切コメントしなかった
●イスラエル軍の元ヨルダン川西岸地区担当司令官だったMizrahi退役少将はイスラエル紙に対し、ヨルダン川西岸にはイスラエル軍が必要だと語っている。
●同少将は「外国軍は頼りに出来ない。これまでも種々の形の外国軍の派遣が検討されたが、その結果は我々の望むものではなかった。我々自身を頼るしかないのだ」と語った
スパイの釈放問題も絡んで
Pollard.jpg●Harf副報道官は同会見で、イスラエルがパレスチナ人受刑者を釈放する見返りに、ケリー国務長官がスパイ罪で服役中のJonathan Pollardの釈放するとのイスラエル報道に関するコメントも避けた。
Jonathan Pollardは元米海軍の文民情報分析官で、1986年にイスラエルへの機密情報漏えいの罪で無期懲役に処せられている。
●本件を長期間追っているジャーナリストによれば、イスラエルは収集した情報をまとめてソ連に提供し、見返りにソ連内ユダヤ人のイスラエル移住許可を求めたと指摘している
●米国はどのような情報がイスラエルに流出したかに一切言及していないが、イスラエルは長年に渡りPollardの釈放を求めている
●クリントン大統領時の1998年、ネタニアフ首相を中東和平交渉に臨ませるため、クリントン大統領がPollardの釈放を提案したとも言われている。
●しかし当時のCIA長官であったTenetは、Pollardが釈放されたら辞任すると反対したこともあり、その際は実現しなかった。この辺りの経緯は、Tenetの著書「At the Center of the Storm」に記されている
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west-bank.jpg中東和平問題など、一般の日本の皆様には全く関係のないニュースでしょうが、「アジア回帰」の掛け声の一方で、少なくとも米国務省にとっては今一番の関心事のようなので取り上げました
もちろんイスラエルとパレスチナの間に入れば、新たな泥沼に米軍人が巻き込まれること必至ですので、国防省にとっても看過できない大問題であり、予算の強制削減対処とあわせ、新たな大きな頭痛の種になることは避けられません
基礎知識不足で深入りは出来ませんが、時々フォローいたしましょう・・・

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