10日付米空軍web記事が、無人機(MQ-1やMQ-9)との指揮通信に、静止軌道にない通信衛星を活用することで、コスト削減や抗たん性向上につなげる試験が行われていると報じています
「宇宙活動で培った専門技術や米軍組織を活用し」、通信を維持するのが困難な「非静止衛星」を活用して効率化や抗たん性強化に結びつけた「好例」として紹介しています
関連衛星の位置によっては、何時も活用可能とは行かないようですが、宇宙アセットの重要性が問題視される中、知恵を絞っての取り組みに注目してみます
10日付米空軍web記事は・・・
●昨年11月から12月にかけ、MQ-1やMQ-9をネバダ州のクリーク空軍基地から遠隔操作するに辺り、静止衛星でない「傾斜軌道の衛星:inclined orbit satellite」を使用する試験が行われ、今後も活用できることが確認された
●傾斜軌道衛星とは、一般に古く、静止軌道を維持する燃料が不足している衛星で、静止軌道から少し「ふらついた軌道:wobbling’ orbits」にある衛星を指している
●静止軌道衛星の通信衛星では、例えば、衛星TV放送の受信用アンテナを一定方向に固定できるが、傾斜衛星の場合は衛星の場所に応じて受信アンテナの方向を変える必要がある
●このように傾斜衛星の使用は技術的にやっかいであることから、静止衛星に比して使用料金が安いのが特徴である
●試験に使用された米空軍の無人機は、傾斜軌道衛星を継続してトラッキングするソフトウェアを組み込まれており、加州バーデンバーグ空軍基地の統合宇宙作戦センターから入手した衛星の位置情報を基に、アンテナ指向方向を適切にして受信エラーを局限した
●米空軍は脆弱性の高い商用衛星から軍事衛星の使用切り替えを進めたいと考えているが、この技術がその方向に役立つと考えられている
●米空軍戦闘コマンドACCは、使用料の安い傾斜衛星を活用することで、目に見える長期的な経費削減が可能になる。最近の回線リース契約では、5割の削減が確認されている
●ACCは傾斜衛星使用の結果を十分に評価し、より活用を増やしたいと計画している
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米空軍web記事では、「depending on availability」とのワンセンテンスで課題を記述していますが、それがどの程度なのか「素人」には判りません
それでも、ソフト改修や既存情報の有機的な活用により、作戦に影響を与えることなく経費が節減できるなら、それは素晴らしいアイディアです!
無人機の活用は、今後日本周辺でも大いに話題になると思われるので、傾斜衛星の活用に日本のインフラも貢献できれば良いのに・・・と「素人」ながら思います
基礎的な部分で理解が間違っていたり、的外れだったらご勘弁を・・・